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韓国型原子力潜水艦の建造は可能だろうか

ニュースリリース|トピックス| 2026年01月01日(木)

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千辛万苦の末、2025年11月14日に「韓米共同説明資料(Joint Fact Sheet)」が発表された。様々な評価が飛び交っているが、韓国が「原子力攻撃型潜水艦(以下、原子力潜水艦)」を導入しようとする動きに対し、米国が承認し協力することを決めたことを最大の成果とする声が大きい。

しかし韓国の核潜水艦導入は、われわれの独自能力よりも米国をはじめとする国際社会の協力の有無とその水準がより大きな変数である。莫大な費用と混乱を招きながら頓挫する可能性も排除できない。

まず韓国が望む方式は、小型原子炉と船体は韓国で製作し、米国から核燃料を供給を受けることである。しかしこの方式は、1970年の核拡散防止条約(NPT)発効以降、前例のないモデルである。興奮を抑え、この点を直視することが極めて重要だ。

説明資料には、米国が「燃料調達方案など事業の要件を進展させるため韓国と緊密に協力する」とある。しかしこれは韓米原子力協定を改正すれば解決される問題ではない。軍事用核燃料の供給は、民生用を前提とした原子力協定で厳格に禁止されているからだ。代表例として、米国の原子力法(AEA)及び核不拡散法(NNPA)は、高濃縮ウラン及び再処理技術の海外移転を厳しく禁じている。

これに対する例外適用を受けるには米国議会の承認が必要である。米国と英国がオーストラリアに原子力潜水艦を供給することにしたAUKUS(オーストラリア・米国・英国安全保障協定、オーカス)の場合、米議会の審査を経て「2024年国防権限法(NDAA)」に別途条項を立法化する方式で議会の承認手続きを代替した。

これにともない、韓米原子力推進潜水艦協力プロセスも「韓米政府の公式宣言→韓米原子力協定とは別の安全保障協定の交渉・締結→米国議会の承認→核燃料供給契約締結」の順序を踏む可能性が高い。参考までに、迅速に進んだとされるオーカスの場合でも37カ月を要した。「韓米原子力潜水艦協力協定」(筆者による仮称)も同様の時間を要すると仮定すれば、法的効力を有する協定締結は2028年末か2029年初頭になる見込みだ。

「韓国型の原子力潜水艦モデル」はオカスよりもはるかに困難な過程を孕んでいる。潜水艦船体をどこで製造するかという問題を差し置いても、より大きな争点が浮上する可能性がある。核潜水艦の核心装備である小型原子炉の問題がまさにそれである。

韓国政府は独自開発・製造を希望しているが、今後米国がこの方式に快く同意するかは未知数である。韓国が原子炉を製作し米国が核燃料を供給する案は、米国法規及び国際規範である核不拡散基調と相当な緊張関係にあるためだ。
オーカスはこの点を意識し、米国が核燃料を装填した原子炉を「封印型モジュール」形態で販売し、このモジュールの寿命が尽きたら回収する方式で合意した。この方式を採用した理由は、米国議会の同意を得て核拡散防止条約(NPT)や国際原子力機関(IAEA)などの国際規範を「迂回」するには、核燃料の管理権を米国が100%保持しなければならないという判断にあった。

しかし「韓国の原子炉製作+米国の核燃料供給」を基本枠組みとする「韓国型原子力潜水艦」はオーカスモデルと大きく異なる。韓国が核潜用原子炉を開発・製作するには、米国が供給した核燃料に対するアクセス・分析・投入・検証など一連の過程に参加しなければならない。こうなればなるほど、米国行政当局の協力及び議会の承認のハードルは高くなる。オーカスよりもはるかに煩雑な手続きを踏まざるをえないという意味だ。

これにより韓米間の協議が本格化すれば、米国は「封印されたモジュール」の販売を提案する可能性が高い。行政部内の異論を解消し議会の承認を得るには、この方式が優れているという理由を挙げてのことだ。

仮に韓国が望む方式で米国が協力したとしても、さらに大きな関門が待ち構えている。NPTでは非核保有国の核物質は平和目的のみに使用することを規定し、IAEAはこれを査察する義務と権限を持つ。しかし原子力潜水艦用核物質は「軍事用」に分類され、NPTとIAEAには軍事用核物質を監視・査察する規定がない。したがって「韓国型原子力潜水艦」が順調に進むにはIAEAの協力も不可欠だ。

オーカスは米国が核燃料に対する100%の統制権を持つ点を前面に押し出し、IAEAの了解を得ようとしている。IAEA事務局は了解可能との立場だが、一部理事国は理事会レベルの承認が必要との立場だ。これにより、まだ明確に整理されていない状態である。

では「韓国型原子力潜水艦潜」はどうだろうか。まずNPT加盟国であり非核保有国が外部から核燃料を供給され、独自に原子炉を製作・運用した事例はない。したがって韓国が望む方式を実現するには、監視・査察を含む検証問題を巡りIAEAと別途交渉を行う必要がある。交渉に成功してもIAEA理事会の承認を経る可能性が高い。オーカスよりも核拡散の懸念が大きいという意見が出るためだ。

35カ国で構成されるIAEA理事会では合意を原則とするが、意見の相違がある場合、一般議決事項は過半数で、重要案件については3分の2の賛成を要する。案件の性質上、「韓国型原子力潜水艦」方式は3分の2の同意を得なければ不可能とみなせる。

この過程で米国はさらなる梃子を得ることになる。IAEAとの協議及び承認の困難さを理由に、「核燃料+原子炉=封印されたモジュール」形態で韓国に販売すると提案する可能性を十分に予想できるからだ。こうなればなるほど、韓国の対米従属性は深まるばかりである。

(2025年11月17日、プレシアン、鄭旭湜コラム


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