ニュースリリース| 2025年04月26日(土)
米国政府は4月、核・エネルギー・技術分野の機密情報を制限するリストに韓国を含めた。これにより、韓国と米国間の原子力科学技術協力と研究人材の交流に制約が生じた。
米国の今回の決定をめぐって、韓国の学界や政治圏などでは「これまで韓国での核武装談論があまりにもオープンに行われたため」という指摘が出ている。ここ数年、韓国社会の核武装論議は過去よりはるかに多くなった。核武装に関する国民を対象にした世論調査も多くなり、国民署名運動まで行われるほど関心が高かったのは事実だ。ただ、賛否両側の議論が明確な進展なしに漂流しているだけに、談論の進化が必要だと思われる。
韓国社会における談話レベルの核武装に関する議論は、現在、賛成と反対の立場が鋭く対立している。
核武装賛成派は、北朝鮮の核脅威が高度化し、北朝鮮が非核化する可能性がなくなったことを強調する。米国が核の傘を約束したが、米国が自分の国のように守ってくれるわけではないので、独自の核兵器が必要だというのだ。 また、現在の韓国の科学技術能力は核兵器開発能力要件をかなり満たしているので、独自の核武装の機会が成熟したという。
一方、反対側の立場では、現在の科学技術能力で核兵器を開発・生産するには多くの時間がかかるしかないと指摘する。さらに、核兵器の生産と運用に必要なインフラが大きく不足しているという意見もある。核兵器開発の兆候が見られるだけでも、核不拡散体制に基づく国際社会と米国の経済・技術制裁が入るということだ。エネルギー、産業、食糧の対外依存度が高い韓国は、このような制裁に耐えられないことは自明だと考える。
これに賛成派は、米国の同意がある可能性があると反論する。ドナルド・トランプ米大統領とその側近が過去に「韓国の核武装も可能」と発言したことに基づく見解だ。
韓国の核武装に関する議論は現在、このような点で止まっている。賛否両側は既存の主張を繰り返したり、過去の数少ない核武装国の事例に固執しているようだ。 そのため、核武装談論の進化も止まっているように見える。今こそ、談論の進化のためにも、賛成・反対双方とも論理的な弱点の代案を提示する必要がある。
核武装反対論理の弱点は、米国が韓国の核開発に同意した瞬間、反対の根拠が崩れることにある。したがって、米国のトランプ政権が変わっても、同盟国の核武装には反対し続けるという実証的根拠を提示する必要がある。
これに対し、核武装賛成論の最大の弱点は、核武装完成までの期間中、安全保障が脆弱化するという問題にある。国家が核物質生産技術を確保した後、実際の核兵器を試験して量産するまでの期間はかなり長い。 その期間中、米国が韓国の核武装に同意する代わりに拡大抑止を中断する可能性がある。
核武装賛成の立場では、この場合に対する安全保障の代替案を提示しなければならない。このように、今日は核武装論議が賛否の正当性だけを強調するのではなく、予想される論理的な脆弱性を補完できる根拠と代案を提示すべき時である。 そうなれば、現在の核兵器談論が生産的な代替競争の場に進化することができるだろう。
2025年4月25日「ヘラルド経済」キム・グァミンジン 淑明大学碩座教授(元空軍大学校学長)