ニュースリリース|トピックス| 2025年03月28日(金)
「韓国が独自核武装を推進する場合、中国がTHHAD(高高度ミサイル防衛システム)を韓国が配置したときに起こした騒動よりも大きなコストを課す可能性がある」
米国ワシントンの代表的な核専門家であるアンキット・パンダ・カーネギー国際平和財団のシニア研究員は19日(現地時間)、インタビューで「韓国の核武装は費用がかかるのはもちろん、韓国の安全保障問題を解決できないだろう」と述べた。
彼は、ドナルド・トランプ政権の対北朝鮮政策が「北朝鮮の核使用及び朝鮮半島での衝突防止」を最優先事項とすべきだとし、「非核化を長期的な目標として扱うが、短期的には韓米が北朝鮮への関与の意思を示すこと」を提案した。
―― グローバル核戦争のリスクを減らすために何をすべきか。
「核兵器が国際政治の核心に戻り、地政学、技術、世界秩序の変動、米国の変化した同盟アプローチなどで核破局のリスクが高まっている。今、米国は外交関係に関する古いアプローチを根本的に変えているが、それでも核抑止に対する非常に重要な補完メカニズムである軍縮の価値を発見した。北朝鮮の場合も、不拡散の問題から抑止と軍縮の問題に移ったというのが私の考えだ。北朝鮮は核兵器を保有しているため、リスク低減や戦略的安定性を議論するために、金正恩国務委員長を関与させる必要がある」
――対北朝鮮政策の焦点が変わらなければならないと考えるか。
「北朝鮮は核不拡散条約(NPT)を脱退して核開発をした唯一の国なので、これには規範的な結果がともなう。しかし、北朝鮮の核保有を深刻に扱い、北朝鮮の核使用および朝鮮半島での核戦争を防止するという第1の原則を中心に政策の方向性を定めることが、はるかに重要だと思う。非核化は長期的に目指すべき目標であるが、短期的には北朝鮮に関与の意思を送り、韓米の安全保障を改善することを追求すべきだ」
――トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談が「韓国パッシング」への不安を高めた側面がある。
「韓国の懸念は正当なものだ。トランプは基本的に19世紀式の国際政治観を持っている。大国、核兵器のある国を小さな国、同盟国より重要視する。トランプ政権がすべての段階で韓国と協議し、また韓国と完全に歩調を合わせて(lockstep)動いてほしいという願いがある。米国が北朝鮮に関与する際、韓国の安全保障の懸念を考慮しなければ、韓国の両党で独自核武装論争が繰り広げられている状況で、米国にとっても重大な過ちとなるだろう」
――韓国の独自核武装論をどう評価するか。
「韓国は冷戦終結と米国主導の国際秩序から来る経済統合と繁栄の利点を重視する巨大な戦略を持っていると思う。その秩序が今、新しい段階に入ったが、経済的繁栄は依然として韓国の利益だ。したがって、韓国は核兵器追求に対する米国の賛否に関係なく、コストを支払わなければならないだろう。中国との経済的相互依存性から相当なコストが発生するだろう。中国が2016~2017年THHADで配置で報復的措置をとったときとは比べものにならないほど、莫大な経済的コストを課す可能性もある」
――トランプ2期政権における米ロ、米中軍縮対話の見通しは。
「米ロともに軍縮プロセスを継続することに利害関係がある。中国指導部に対しても軍縮対話に参加させようとするだろう。トランプ氏は1980年代から非核化と呼ばれる軍縮に関心を持ち、核兵器を破壊的、実存的な脅威として感じている」
(2025年3月28日、京郷新聞)