ニュースリリース|トピックス| 2025年03月20日(木)
アメリカのドナルド・トランプ大統領は2025年3月13日、金正恩総書記を「ニュークリアパワー」(Nuclear Power、核兵器保有国)と呼び、第1期と同じ関係を再び構築すると明らかにした。1月20日の大統領就任式に続き、2度目の言及だ。
トランプ大統領は「金正恩が核兵器をたくさん持っており、他の国も同様だ。インドやパキスタンにもあり、それ(核兵器)を持つ他の国もある」と述べた。北朝鮮をインドやパキスタンなど「事実上の(de facto)核保有国」と同じ線上に置く発言だ。インドとパキスタンに対して、アメリカはもちろん、世界の誰も非核化を強制していない。
ピート・ヘグセス国防長官も2025年1月14日、北朝鮮を「ニュークリアパワー」と呼んだことがある。マルコ・ルビオ国務長官は翌日、北朝鮮の核問題について「完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)は幻想」と言及した。
トゥルシー・ギャバード国家情報局長(DNI)は1月30日、アメリカが北朝鮮に対して取るべき政策の優先順位について「核兵器とミサイルプログラムの脅威を減らすことに焦点を合わせなければならない」と述べた。いずれも北朝鮮の完全な非核化とはほど遠い立場だ。
アメリカ・エネルギー庁(DOE)が3月14日に明らかにしたところによると、2025年1月初めに韓国は「敏感国及びその他の指定国リスト(Sensitive and Other Designated Countries List-SCL)」に含まれた。「敏感国」とは、特別な政策的配慮が必要な国であり、アメリカの国家安全保障への脅威、核拡散、テロ支援などの可能性がある場合に含まれることがある。
アメリカは「敏感国」に対し、技術及び情報交流と貿易に制限を設ける場合が多い。「敏感国」には、中国やロシアなどアメリカが主要な脅威と評価する国はもちろん、北朝鮮、イラン、シリア、キューバのようなテロ支援国まで含まれている。韓国が北朝鮮と同じ等級の不信国家に分類されたことになる。
韓国が「敏感国」に含まれたのは、バイデン政権の任期末である2025年1月だったという点で、ドナルド・トランプ第2期政権の政策的基調とはあまり関係がないと見ることができる。同盟との連帯を強調し、とくに韓米日協力体制の形成を最大の外交的成果として掲げたバイデン政権が、任期終了直前に韓国を「敏感国」に含めた理由は不明だ。
エネルギー庁の業務特性上、韓国内の独自核武装関連の動向が影響した可能性がある。尹錫悦大統領は2023年1月、北朝鮮の挑発レベルが高まる場合を前提に「大韓民国が戦術核を配備したり、独自の核を保有する可能性がある」と言及し、これはアメリカでも注目を集めた。
韓国・統一研究院が2024年7月に調査したところによると、調査対象者の66%が自主核武装に賛成すると回答するなど、北朝鮮の核脅威の高まりにともない韓国内の自主核武装世論は高い水準を維持している。非常戒厳令と大統領弾劾事態による国家信頼度の低下が影響した可能性も排除できない。
さまざまな状況から、トランプ大統領が金総書記と交渉を再開する可能性は高い。問題は、米朝戦争終結のためのトランプ大統領の仲介方式を見ると、「コリアパッシング」の可能性を排除できないという点だ。
すでに金正恩政権は南北関係を完全に断絶し、「決別の決意」を固めた。トランプ大統領は同盟への配慮より成果主義を優先する姿勢を示している。
トランプ大統領は北朝鮮を「ニュークリアパワー」と称し、アメリカ・エネルギー庁は韓国に「不信」を意味する「敏感国家」に分類した。今日、アメリカが朝鮮半島を見る目線だ。
冷静に現実を直視し、韓国の安保懸念を払拭するための全方位的な努力が必要な時期だ。私たちの中の混乱を迅速に克服しなければならない理由だ。
(2025年3月19日、ソウル新聞、チョ・ハンボム統一研究院委員)