ニュースリリース|トピックス| 2025年01月21日(火)
2025年1月20日(現地時間)、ホワイトハウスに戻ったドナルド・トランプ米大統領は、2期目の任期内に金正恩総書記と再び「直接取引」を試みる可能性が高いという見方が出ている。
とくにトランプ側近の「破格的な発言」が相次ぎ、韓国政府が先制的に対応すべきだという指摘が出ている。だが、弾劾局面による正常外交の空白を埋めるのは難しい状況だ。
最近、トランプ第2期発足を控えて行われた上院の人事聴聞会で、外交安保の核心関係者は相次いで対北朝鮮政策の転換の可能性を垣間見ることができる見解を明らかにした。
ピート・ヘグセス米国防長官候補は人事聴聞会答弁書で北朝鮮を「核能力保有国」(nuclear power)と表現し、マルコ・ルビオ国務長官候補も「完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)は幻想」と述べた。
これをめぐって、トランプ政府がすでに北朝鮮の「完全な非核化」の達成は難しいと見て、北朝鮮の核の脅威を最小化し、管理する方向の軍縮交渉を目指すのではないかという観測が続いている。韓国の国家情報院も1月13日、国会情報委員会で米朝対話について「核凍結と軍縮のようなスモールディールの形も可能だろう」と報告した。
しかし、米朝間の核凍結・軍縮交渉が実現すれば、韓国は対北朝鮮政策と外交安全保障戦略を根本的に再検討しなければならない。とくに、専門家らは、米国が大陸間弾道ミサイル(ICBM)など米国に対する直接的な脅威を取り除く程度で北朝鮮制裁を解除することを、韓国にとって最も「悪い取引」と見ている。
梨花女子大学の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は1月20日、「最も懸念されるのは、いわゆる双停止合意で、韓米連合訓練と戦略資産展開の中断または大幅縮小と、北朝鮮の核実験、ICBM発射の猶予を交換することだ」と指摘した。
実際、トランプ大統領は2018年6月、金委員長との初の米朝首脳会談後の記者会見で「高価で挑発的な戦争ゲームをしない」と米韓連合訓練の中断に言及した。ただ、朴教授は「最近のトランプ大統領の発言は、北朝鮮の核保有を認めるのではなく、軍事的抑止能力を強化するという立場に見える」と解釈している。
核拡散不拡散条約(NPT)にもかかわらず、韓国も核能力を高めるべきだという声も高まっている。鄭成長(チョン・ソンジャン)世宗研究所の韓半島戦略センター長は、「少なくとも日本レベルの核潜在力だけでも確保するように、米国と国際社会の理解を得なければならない」と主張した。
しかし、朝鮮半島の非核化という原則が破られれば、北朝鮮の非核化は当然難しくなる。しかも、トランプ2期が政策を精巧に練り上げる「ゴールデンタイム」に、韓国は弾劾情勢にあり、正常的な首脳外交が避けられない状況だ。早期大統領選挙が行われたとしても、首脳外交は5〜6月頃になると予想される。
韓国政府は趙泰烈(チョ・テヨル)外交部長官が早急に米国を訪問する方向で調整中だ。外交部は非核化の目標には変わりがないとし、「米国側の政策検討過程で緊密な疎通と協調を継続していく」と強調した。
(2025年1月21日、ソウル新聞)