ニュースリリース|トピックス| 2025年01月14日(火)
トランプ次期大統領は北朝鮮問題をとても真面目に取り扱っていると、フレッド・フライツ米国優先主義政策研究所(AFPI)副所長は指摘しています。1期目のトランプ政権時代、ホワイトハウスの国家安保会議(NSC)秘書室長を務めたフライツ氏は、2025年1月13日にVOAとのインタビューでこのように述べ、北朝鮮が速やかに米国と真摯な交渉を始めるべきだと述べました。また、トランプ政権が混乱状態に陥っている韓国政府と協力することは難しいと指摘しました。
―― 韓国と他の同盟国がMAGA、つまり「アメリカを再び偉大にする」式の外交について、どのような点を知っておくべきでしょうか。
トランプ次期大統領の国家安全保障と外交政策のアプローチが孤立主義的、または「アメリカ単独(America alone)」方式だと一部の批評家は言いますが、それは事実ではありません。トランプは最初の任期中に強力な外交政策を展開し、2期目の任期中も非常に広範で積極的な外交政策を準備している姿が見られます。私は、アジア太平洋地域でそのような姿が見られると思います。
リチャード・グレンネル氏が北朝鮮問題を含む「特別任務」担当大使に任命されたことに期待しています。北朝鮮の脅威に対処することに関心を持っていることを示しています。また米国と韓国、日本の間に強力な関係が形成されると思います。
中国に対しては非常に強硬な(tough)政策が出てくるでしょう。 また米国と韓国の関係を改善し、地域の緊張を緩和するために考案された政策も出てくると予想します。
――トランプは選挙遊説期間中、何度も金正恩総書記と「うまくやっている」としてその親交ぶりをアピールしましたが、まだ金正恩委員長との個人外交について真剣に考えていると思いますか。本当に北朝鮮の非核化を追求しているのでしょうか、それとも単に見出しに載りたいだけでしょうか。
トランプは、金正恩氏との個人的な外交を最初の任期中の主要な成果と捉えていると思います。その相互作用により、北朝鮮との緊張が大幅に緩和されたからです。2018年9月以降、北朝鮮の核実験はなく、長距離ミサイルの試験発射は2022年まで中止されるなど、緊張はかなり緩和されました。北朝鮮の核問題を解決したわけではありませんが、解決の道に向かわせました。
――グレネル大使を何度も言及されましたが、米朝首脳会談を成立させるための努力を主導するのでしょうか。
わかりません。しかし、トランプが北朝鮮を相手にする外交政策顧問として信頼できる身近な人を任命したという事実は、この問題をいかに真剣に扱っているかをよく示していると言えます。そして、北朝鮮もこれを認識し、できるだけ早くグレネル大使を受け入れて真剣な交渉を始めることを期待しています。
――トランプ第2期の高位職内定者の面面を見ると、マルコ・ルービオ国務長官指名者は北朝鮮に対して強硬な立場を取ってきましたし、マイク・ウォルツ国家安全保障補佐官指名者も2022年に北朝鮮に対する「最大限の圧力」を再開しなければならないと言いました。外交の核心参謀たちが北朝鮮に対して強硬な立場を取る場合、大統領が一方的に個人外交を推進することができるのでしょうか。
ここ数年、北朝鮮に対する批判が多かったのは理解できます。北朝鮮のミサイルプログラムが進み、核実験を行わなかったにもかかわらず、核プログラムが進展したからです。しかし、政治家が任命される前にどんな発言をしたとしても、トランプが大統領であり、彼らは大統領の政策を推進するでしょう。
「米国第一主義」に基づく米国の国家安全保障の優先順位は、戦争という道具を使う前に、他の道具を使うことです。トランプ次期大統領は、北朝鮮を攻撃する強硬な戦略について話す前に制裁を検討するでしょう。
――韓国国内の政治的混乱は、韓国がトランプ次期大統領と早期に関係を構築し、さまざまな懸案を調整することにどのような影響を与えるのでしょうか。
韓国で起きたことを非常に悲しく思っています。私は尹錫悦大統領がトランプと生産的な関係を築くことを期待していました。尹大統領が一緒にゴルフをするために練習をしていたことを知っています。しかし、今はそのようなことは起こらないと思います。
私は今、韓国で何が起こっているのか調べています。難しくて複雑です。韓国の政治的混乱が地域の安全保障と世界の安全保障によくないと思います。トランプ政府が正直、混乱状態に陥った韓国政府と協力することも難しいでしょう。
――日本の石破茂首相は就任直後にトランプと会談する予定ですが、このように早く首脳会談を行うことはどれほど重要ですか。
非常に重要です。私は先ほどVOAでもこの点を強調しましたし、また、私が2024年夏に韓国を訪問した際にも、韓国当局者に尹大統領がトランプ前大統領とできるだけ早く会うことが非常に重要だと言いました。可能であれば、米国大統領選挙の前にです。韓国の当局者がトランプ次期大統領に会い、米韓両国の懸案事項と韓国の関心事について理解させることが重要だと思います。
また、両国に実質的な脅威である中国に一緒に対処する方策についても話し合います。
――尹政権は独自のインド太平洋戦略を発表し、中国に立ち向かったと米国メディアは評価しています。一方、進歩(革新)的な韓国の野党は与党から親中派という批判を受けています。韓国でどの陣営が政権を取るかわからない状況は、トランプ政権にジレンマを与えるのでしょうか。
先ほど申し上げたように、このような混乱は韓国と地域安全保障、グローバル安全保障、米韓関係によくありません。そして中国に有利に働きます。中国は韓国政府に混乱が生じることを喜んでいます。私たちは強力で統一された韓国政府が必要です。韓国の政治的問題が非常に早く解決されることを願っています。
トランプはいくつかの条件を提示し、再びそのような外交を再開したいと思うでしょう。 対北朝鮮外交はトランプ第1期が真剣に推進した政策でした。ただ、見出しを飾るためだと言う批評家には、以前の米国大統領は北朝鮮と一時的な合意を結んだだけで、緊張緩和に大きな影響を与えなかったことを指摘したいと思います。
私は2025年には少なくともグレネル大使と北朝鮮の間、さらにトランプと金正恩の間で外交が再開されることを期待しています。
――進歩的な文在寅政権は米国と中国の間でバランス外交を推進しましたが、当時、韓国のこのようなアプローチについてトランプ政権はどのように評価していましたか。
文在寅とトランプはよい関係を築きました。しかしトランプ第1期政府は、文在寅が金正恩と安易に取引をしようとすると認識しました。この点について、トランプ政権は慎重にアプローチしなければなりませんでした。当時、韓国政府とよい関係を維持しながら、同時に韓国政府がやりにくいことを推進しなければなりませんでした。
私は尹大統領が最もよいアプローチを取ったと思いますし、今後も韓国政府が中国と北朝鮮に関して同じアプローチを続けることを願っています。
――尹政権は北朝鮮に強硬な一方、歴史的に進歩的な政府は北朝鮮への関与政策を推進してきました。尹政権の対北朝鮮アプローチは、トランプ次期大統領の個人外交とギャップがあるのではないでしょうか。進歩的な政権の対北朝鮮アプローチの方が合うのではないでしょうか。
文在寅と彼の政治的支持者が北朝鮮と妥協するためにあまりにも簡単に譲歩しようとしたため、韓国や地域の安全保障、世界の安全保障に役立たないという認識がありました。トランプはよりよいアプローチをとりました。北朝鮮と取引をしようとしましたが、核やミサイルなど北朝鮮の主要な懸念事項を解決できないような譲歩はしませんでした。
合意を望みすぎて危険な譲歩はしなかったということです。しかし文在寅はそのような立場を持っていたようです。そのため、米韓間には時々意見の対立がありました。
――マーク・エスパー元国防長官は回顧録で、トランプ大統領が再選されていたら在韓米軍撤退を継続的に推進しただろうし、自身にも在韓米軍撤退を何度も圧力をかけたと明らかにしました。トランプ2期目でも在韓米軍撤退は推進されるのでしょうか。バイデン政権の任期終了直前に締結された防衛費分担金の再交渉が行われるのでしょうか。
マーク・エスパーは一時的に国防長官を務め、トランプ大統領によって解任されました。したがって、私はこの状況に対する彼のいかなる分析も真剣に受け止めません。トランプ第2期政権下では、在韓米軍撤退の話はありません。防衛費分担金協定(SMA)と韓国の国防費支出、米軍駐留費用に関する支出についての議論があると思います。前回の第1期政権の時と同様に、異論があると思います。 しかし、これは友好国レベルで議論され、解決されるでしょう。米韓両国は、両国が直面している実際の安全保障の脅威を見過ごさないと思います。
以上、フレッド・フライツ米国優先主義政策研究所(AFPI)副所長から、トランプ第2期目での米韓同盟関係と対北朝鮮政策について伺いました。 インタビューはチョ・ウンジョン記者でした。
(2024年1月14日、VOA)