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ウクライナ戦争への停戦に向けて朝鮮半島が果たせる役割はあるか

ニュースリリース|トピックス| 2025年01月12日(日)

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 ウクライナが2024年8月に奇襲占領したクルスクが主戦場として浮上している。これは、クルスクの行方がロシア・ウクライナ戦争の停戦交渉の開始やその方向性に大きな影響を与える可能性があることに由来する。

 早期の終戦を公言してきたドナルド・トランプ次期大統領側は、現在の状況でいったん停戦に突入することを目指している。ロシアは、ウクライナがロシアの領土であるクルスクの一部地域を占領し続けたもう一つの「戦場の現実」をそのままにしておくことはできないという立場が固い。ウクライナは、ロシアが占領した地域の返還を要求したり、他の停戦条件を提示するためのテコ入れとしてクルスクを利用しようとしている。

 このような状況下、朝ロ同盟の目標は、2025年1月20日に就任するトランプ大統領が休戦の仲介に本格的に着手する前にクルスクを奪還することに焦点が当てられている。これにより、領土争奪戦が繰り広げられている「戦場の現実」をロシアが占領したウクライナ領土に限定しようとする。

 しかし、交渉の糸口を失いたくないというウクライナの抵抗も強い。米国のバイデン政権も「北朝鮮軍は合法的な軍事目標」とし、ウクライナが米国が支援した長距離ミサイルで朝鮮軍を攻撃することも許可した。これにより、クルスクでは双方の死傷者が雪だるま式に増えている。

 ウクライナ戦争の行方と関連し、「トランプ効果」は尹錫悦政権にも及んだ。尹政権は武器支援などを通じてウクライナの「勝利」を支援するという立場だったが、「終戦」を前面に押し出したトランプ大統領が当選すると、様子見モードに転じた。

 そして尹錫悦大統領は「12.3内乱事態」(戒厳令)を起こして弾劾される立場に追い込まれ、これにより、尹政権が検討していたウクライナへの武器支援、参観団派遣、朝鮮軍捕虜尋問などは行われない可能性が高くなった。

 ウクライナと朝鮮半島問題を包含する言葉は「停戦」と言える。ウクライナでは休戦さえも切実な状況であり、朝鮮半島では休戦(停戦)さえも不安になっているからだ。したがって、朝鮮半島では停戦体制の安定性を回復することが急務である。

 当面急務なのは、局地衝突と拡大戦争を引き起こす可能性のある南北心理戦の「双方の中断」である。

 双方がともに風船散布と拡声器放送を中断し、衝突の可能性をなくすことが重要だ。これらの心理戦を韓国が先に始めたという点で、決着の意味で先制的に中断し、朝鮮にも相応の措置を要求しなければならない。また、もう一つの紛争の火種として登場している無人機の制御策も講じるべきである。

 朝鮮半島で休戦体制の安定性が回復すればするほど、朝鮮戦争の休戦案としても「朝鮮半島式休戦モデル(K休戦モデル)」が注目される可能性がある。戦争の勃発・休戦の条件と成立・休戦体制の定着などで類似点と教訓を見つけることができるからだ。

 1950年の朝・中・ソの3者結託による朝鮮戦争の勃発は、米国・韓国・日本・台湾を結ぶ反共戦線の強固化を阻止する「予防戦争」としての性格も持っていた。ロシアのプーチン大統領がウクライナのNATO加盟を阻止するという名分を掲げて侵攻を強行したのと似ている。強大国の直接的・間接的な介入も見逃せない類似点だ。

 休戦の切迫性と可能性も似た様相を呈している。朝鮮戦争前半はソウルと平壌を奪い合う全面的な攻防戦が繰り広げられたが、戦争勃発1年が過ぎると38度線を挟んで膠着状態に陥った。ウクライナ戦争も、ウクライナの首都キーウへのロシアの進撃作戦も、奪われた領土を取り戻そうとしたウクライナの大反撃も失敗に終わり、膠着状態に陥った。どちらの側も完全な勝利が不可能になったため、休戦の必要性が浮上しているのである。

 加えて、朝鮮戦争の背後で実力者であったソ連のスターリンの死が休戦交渉に弾みをつけたように、米国の政権交代もウクライナ戦争の休戦の可能性を高めている。

 1953年7月27日に締結された朝鮮戦争停戦協定と、それ以降定着してきた停戦体制についてはさまざまな評価が可能である。第2次朝鮮戦争の勃発を防いできたという点では成功したと評価できるが、停戦協定が目標として明示した「最終的な政治的解決」、つまり平和協定はまだ締結されていない。

 このような限界にもかかわらず、朝鮮戦争の終結案も2段階、すなわち停戦と平和協定に分けてアプローチするのが現実的だと言える。長期的かつ最終的には平和協定を通じて「積極的平和」を実現するという目標を持ちながら、当面は休戦を通じて「消極的平和」を回復しなければならないからだ。

 もちろん、大きな違いもある。韓国は休戦協定直後、韓米相互防衛条約と在韓米軍を通じて安全を保障された。これに対し、ウクライナのNATO加盟は遠回りと思われる。停戦や終戦が議論されれば、ウクライナの安全保障案が最も難しい問題になるだろうということだ。

 代替案として考えられるのは、ロシアとウクライナの停戦に対する国際的な保証と監視である。強力な仲介者として浮上する米国が停戦保証人として登場する案、停戦宣言を国連安全保障理事会の決議として採択し、法的拘束力を付与する案、国連平和維持軍が非武装地帯の監視を担当する案、中立国監督委員会を構成する案などがこれに該当する。

 また、NATOとロシア間の地政学的対立を解消できる根本的な解決策も講じなければならないだろう。

 韓国がウクライナの平和回復に貢献できる方策があるとすれば、「K休戦モデル」の成果と問題点を綿密に検討し、ウクライナ戦争休戦交渉の開始・過程・結果に活力を吹き込むことである。成果の核心には、朝鮮戦争の再発を防いできたという点がある。また、韓国が民主化と産業化を経て先進国の入り口に到達した事例も、ウクライナの未来に大きな含意を持つことができる。

 一方、問題の中心には休戦交渉が2年間停戦交渉が停滞し、莫大な被害を受けたという点にある。したがって、ウクライナ戦争は朝鮮戦争のように交渉による休戦よりも、まず特定時点で休戦を宣言し、交渉に突入する方向で問題を解決していくことが望ましい。

 朝鮮半島の停戦体制が長期化する中、国内にはこの分野の専門家が多い。政府がこのような役割を自任すればいいが、政府でなくても国会や民間レベルでできる役割があるということだ。しかし、政府の役割が非常に重要になった。同盟関係を活用し、米朝停戦交渉案の策定に頭を悩ませているトランプ政権にアイデアを与えることができるからだ。

 そのための大課題は3つある。第1は、ウクライナへの軍事支援の検討を撤回し、休戦案の策定に参加するという「モード転換」であり、第2は北朝鮮への心理戦の中断を通じて朝鮮半島停戦体制の安全性を回復することだ。また、トランプ大統領の北朝鮮へのアプローチを支持・協力することも必要だ。

 そうすれば、ウクライナと朝鮮半島の平和に貢献するだけでなく、不確実性に満ちている米韓関係にもプラスの影響を与えることができる。ウクライナ戦争の終結はトランプ大統領の最優先的な外交政策目標であり、朝鮮半島問題の解決は彼の変わらぬ目標に該当するからだ。
(2024年12月20日、プレシアン、鄭旭湜)


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