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【トランプ新政権】同盟費用増額要求、核対応……専門家の見方

ニュースリリース|トピックス| 2024年11月08日(金)

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アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は、同盟関係も「取引」(ディール)と認識してきたため、駐韓米軍の防衛費増額など、韓国にさまざまな請求書を突きつける可能性がある。

専門家らは、費用負担が避けられないなら、韓国も「得るもの」に集中すべきだと口をそろえた。とくに、核燃料再処理など核の潜在力を確保できる韓米原子力協定の改定カードを優先的に挙げた。

取引同盟化「きちんと与えて、きちんともらう」

専門家らは、トランプ政権が発足すれば、第12次韓米防衛費分担金特別協定(SMA)の再交渉を要求すると予想した。

韓国とアメリカはすでに交渉を終え、公式署名まで済ませたが、トランプ氏が選挙期間中、在韓米軍駐留費用分担金を年間100億ドル(約14兆ウォン)水準に大幅に引き上げるべきだと主張したため、白紙に戻す可能性があるということだ。同盟間の関係でも「価値」の代わりに「取引」を重視するため、引き上げは避けられないというのが大多数の専門家の見解だ。

このため、韓国が先制的に防衛費増額を提示し、必要な戦略兵器を追加で要求して交渉の主導権を握るべきだという主張も出ている。

チャ・ドゥヒョン峨山政策研究院首席研究委員は「われわれがより多くの費用を提供する代わりに、アメリカの戦略資産の朝鮮半島展開を定例化したり、戦術核を再配置するような交渉戦略を立てるべきだ」という。

梨花女子大学のパク・ウォンゴン教授も「戦略兵器展開専用の訓練費用を先に提示し、われわれも欲しい時に欲しい武器を持ってきてほしいというような取引的な知恵が必要だ」と提案する。

トランプ政権が在韓米軍削減などで圧力をかける場合、われわれはそのぶんの安全保障の空白を核能力を強化することで対抗すべきだ、という指摘もある。鄭成長・世宗研究所韓半島戦略センター長は「自国の核武装を含むすべてのオプションをテーブルの上に置くべきだ。日本のように核兵器開発の前段階レベル(ウラン濃縮、核燃料再処理)を確保するために、韓米原子力協定を改定することはトランプ政権が難なく受け入れる可能性がある」と説明する。

北朝鮮の非核化は死守・「核には核」

トランプ氏は特有の「トップダウン」方式を好むため、政権発足後、金正恩総書記米朝首脳会談が迅速に行われる可能性があるという観測もある。

この場合、北朝鮮が韓国を交渉対象として認めず、米朝2国のみで会談することで、北朝鮮の核保有を認めるようになる可能性があるという懸念が出ている。これは、トランプ政権としては、大陸間弾道ミサイル(ICBM)のような北朝鮮によるアメリカ本土への脅威を除去する代わりに、非核化ではなく軍縮や現状維持に方向転換する可能性があるという分析だ。

専門家たちは「この状況を必ず阻止すべきだ」と一致するが、そんな期待とは異なる方向に進む可能性がある。

高麗大学統一融合研究院の南成旭院長は、「アメリカ内でも北朝鮮の核をめぐって『今、どうするのか』という話が出る」と懸念する。また「アメリカが現状凍結シナリオを取る場合、われわれは核は核で恐怖のバランスを取らないといけない。北朝鮮の核の脅威を防ぐ安全保障不安解消対策を要求すべきだろう」と述べた。

何よりも、米朝間の交渉過程で韓国がはじかれる「パッシング」を事前に防ぐべきだと、専門家は強調する。そのためには、現政権の断固たる対中対応を交渉カードとして活用すべきだという忠告が出る。

パク教授は「現政権が中国に確固たる態度を示し、トランプ氏と政策が一致しているという信頼を与え、朝中ロ問題で韓国の発言権を確保しなければならない」と明らかにした。

日本から学び「超党派的」協力

首脳間の個人的な親交で外交政策を決定する、トランプ氏の「首脳外交」モードにも積極的に対応すべきだという意見もある。

前出のチャ委員は「参謀の言うことをよく聞かないトランプ氏の性格を考慮すると、首脳間の1対1外交が重要。できるだけ早く、かつひんぱんに接触の機会を作るべきだ」とアドバイスした。

その模範解答案としては、日本の安倍晋三元首相が挙げられる。安倍元首相は2016年、トランプ当選者が大統領に就任する前にアメリカを直接訪れ、金メッキのゴルフクラブセットをプレゼントした。そのおかげで日本はトランプ政権から多くの恩恵を受けた。

パク教授は、尹錫悦大統領がバイデン大統領との国賓晩餐会で「アメリカン・パイ」を熱唱し、首脳間のスキンシップを高めた事例を挙げ、「(ゴルフが好きなトランプ氏に合わせて)尹氏がゴルフを習うような積極性も必要だ」と話した。

8年前より大幅に改善された日韓関係も積極的に活用すべきだという見方もある。日韓両国が防衛費分担、インド太平洋戦略などで立場が同じであるため、発言力をより強める可能性があるということだ。

また、予測不可能なトランプ氏の性格に備えて、過去にトランプ氏の側近・高官と接触してきた文在寅政権の高官を活用する必要があるという声もある。

鄭センター長は「チョン・ジョンヨン元安保室長、ソ・フン元国家情報院長などの人材を積極的に活用すべきだ。尹大統領が直接助言を求めれば、彼らも国益の観点から目を背けないだろう」と述べた。
(2024年11月8日、ソウル経済)


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