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交戦中のウクライナへの武器支援は韓国軍の派兵につながる

ニュースリリース|トピックス| 2024年11月04日(月)

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韓国「対外貿易法」に抵触
ウクライナが望む兵器の在庫少なく

 政府がロシアと交戦中のウクライナに攻撃用武器の支援を検討することをめぐって物議を醸している。交戦国に殺傷兵器を支援することは国内法規に抵触するだけでなく、ミサイルなど先端武器の支援は運用に必要な兵力派遣につながる可能性が大きいからだ。軍と政府の内外で出てくる対ウクライナ武器支援論の虚実を探ってみる。

 尹錫悦大統領は2024年10月24日、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領との首脳会談後に開かれた共同記者会見で「大原則として(ウクライナに)殺傷兵器を直接供給しないという原則を持っていたが、そのような部分についてもより柔軟に北朝鮮軍の活動状況に応じて検討していくことができる」と明らかにした。

 2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後、維持してきた「殺傷兵器支援不可」の方針を「派遣北朝鮮軍の活動に応じて検討可能」に変えたのだ。国家安全保障に深刻な影響を及ぼす事案であるにもかかわらず、専門家の討論や公論化の過程もなかった。 そのため、保守的なメディアでさえ、社説や寄稿コラムを通じて政府の早急な立場変更を批判したり、慎重論を展開している。

 ウクライナへの武器支援の最も大きな問題は、この国が現在交戦中であるという事実だ。国内には国際平和と安全維持、国家安全保障を理由に武器輸出を制限する法規がいくつもある。

 防衛事業法は、韓国内防衛産業企業が国外に武器を輸出したり、取引をする場合、防衛事業庁長官に申告し、許可を受けなければならないと規定している。防衛事業法施行令によると、

△国際平和・安全維持及び国家安保のために必要な場合、または戦争・テロなどの緊急の国際情勢の変化がある場合

△防衛物資及び国防科学技術の輸出により外交的摩擦が予想される場合などであれば、防衛物資(武器)の輸出を制限することができる。ウクライナへの殺傷兵器支援はこれに該当すると見られる。

 対外貿易法に基づく「戦略物資輸出入告示」のうち「許可の一般原則」を見ると、「戦略物資などに対する許可は、当該物品が平和的な目的に使用される場合に限り許可する」と明記している。現在交戦中のウクライナへの武器支援は、この一般原則に明らかに反する。

 ウクライナへの殺傷兵器支援は、結局、派兵につながるしかないという指摘が出る。これは、ウクライナが韓国政府に要求する武器の性質に関連する問題だ。今後、ウクライナが支援を要請する防空兵器としては、「神弓」や「天弓-2」などの先端対空兵器が挙げられる。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も10月30日(現地時間)、韓国KBSとのインタビューで「韓国に最も望むのは防空システムだ」と話した。とくに「韓国型パトリオット」と呼ばれる天宮-2は、高度30~40キロメートルで航空機とミサイルを迎撃する中距離対空武器だ。天弓-2はミサイルだけでなく、装備・部品・施設・ソフトウェアなどが必要な複雑な武器体系だ。

 天弓-2はミサイル、発射台、交戦統制所、多機能レーダーで構成される。実戦配備された天弓-2の1つの砲台は、発射台4基と迎撃ミサイル32発、レーダー、射撃統制所で構成されている。もし天弓-2をウクライナに支援する場合、運用経験のある韓国軍兵士と製造メーカーの技術者がウクライナに滞在し、現地での教育と運営・維持・メンテナンスを支援するなど、後続の軍事支援を担当する可能性がある。

 規模が小さく、戦闘に直接投入されない非戦闘部隊だが、自衛権レベルの武装が必要であり、戦況が悪化した場合、彼らを保護する警戒部隊の追加派遣につながる可能性が大きい。

 安保空白の懸念も少なくない。天弓-2は有事の際に北朝鮮のミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)の中核戦力だ。北朝鮮が核とミサイル能力を着実に高度化しており、韓国軍は1発でも迎撃ミサイルの確保が切実な状況だ。

 しかも在庫がないため、ウクライナにこの武器を提供するには北朝鮮のミサイルを防ぐために韓国軍に配備すべき武器を抜かなければならない。2022年4月8日、ウクライナのオレキシ・レズニコウ国防相が徐旭・国防相との通話で対空誘導武器の支援を要請したが、徐国防相は「韓国の安全保障状況などを考慮して制限される」と拒否したことがある。

 元外交安保当局者は「155ミリ砲弾も韓国軍には15日分の備蓄分しかなく、自分たちのぶんで精一杯な状況」とし、殺傷兵器支援検討方針の再考を要求した。
(2024年11月4日、ハンギョレ)
 


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