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兵力輸入国になったロシア

ニュースリリース|トピックス| 2024年11月04日(月)

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 ロシアに派兵された数千人の人民軍は戦闘兵かもしれないし、他の兵科かもしれないが、近いうちにその数は数万人まで増えるかもしれない。北朝鮮の立場から見れば、この派遣は意味のある政策だ。北朝鮮は外貨を稼ぐことができ、兵士たちは貴重な実戦経験を積むことができる。それだけでなく、派兵を外交手段として利用し、ロシアから他の方法では得難い軍事技術を得る希望もあるようだ。

 つまり、北朝鮮には派兵する理由があるが、ロシア側はどうだろうか。今日のロシアの状況を考えると、ロシア側も人民軍に対する需要が高い。ほとんどの予測とは異なり、2022年の対ロ制裁はほぼ完璧な失敗に終わった。2022年春の対露制裁導入当時、アナリストはロシア経済が深刻なマイナス成長を記録すると予測した。

 しかし、実際はまったく異なり、2023年のロシアの経済成長率は3.6%であり、2024年は3.4%を記録すると思われる。ほとんどのロシア国民の立場では、ここ2~3年の間に経済がかなりよくなった。モスクワやサンクトペテルブルクのような大都市では、どこでも経済ブームと消費ブームを見ることができる。

 ロシア人のほとんどは、ウラジーミル・プーチンの大国主義政策を支持するか、少なくとも反対していない。彼らは旧ソ連地域をロシアの「当然の影響圏」と考えており、ロシアがこの地域を再び昔のように「平定」することは当然であるだけでなく、よいことだと考えている。もちろん、よい教育を受けた専門職・技術職の人々の中には「帝国の偉大さのロマン」に陥らない人もいますが、彼らは少数派だ。

 ロシアの人々が不満や懸念の代わりに、満足感と民族的誇りを多く感じる理由の一つは、もちろん、よくなっている経済だ。もう一つの理由は、志願者を除き、ロシア人がウクライナの戦場に連れて行かれる可能性がないからだ。

 ロシアには徴兵制があるが、プーチンが何度も確認したように、兵役服務者は戦場に行かない。2022年にプーチン政権が動員令を宣言すると、70万人ほどの人々は国境を越えて逃げてしまった。もちろん、法律によってロシア政府は国民を動員する権利がある。しかし、前回の動員令の経験から、ロシアの指導者たちは再び動員令を発令すれば、国内で不満と混乱が生じる可能性があることを学んだ。

 少し前まで、ロシアは兵力問題がそれほど深刻ではなかった。経済が順調に成長しているため、兵士によくお金を支払え、自発的に入隊しようとする人がたくさんいた。ロシアの田舎で成人男性の給料は300~400ドルだが、戦闘する兵士は最低2200ドルがもらえる。これを考えると、田舎の男性が多く入隊するのは当然のことである。

 しかし最近、状況は厳しくなり始めている。前線からのニュースを見ると、ロシア軍が攻勢を強めているが、深刻化する兵力枯渇のため、攻勢スピードは速くない。

 そのため、ロシアのエリート層は難しい選択に直面している。彼らはウクライナ戦争をやめるつもりすらなく、ウクライナが遅かれ早かれ崩壊することを知っている。しかし、ウクライナに圧力をかけ続けるために必要なのは兵力だ。再び動員令を宣言したり、特に兵役服務中の若者を死の道に送れば、政府に対する支持率が大きく下がり、国内に危機が生じる可能性が高くなるだろう。

 北朝鮮の兵士がたくさん来れば、ロシアは依然として戦争をしながら国内では良い経済状況を維持し、政府は国民の大部分の支持を得ることができるだろう。北朝鮮は昔から安い労働力の輸出国だったが、今は安い兵力輸出国になっている。
(2024年10月29日、毎日経済新聞、アンドレイ・ランコフ国民大学教授)
 


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