ニュースリリース|トピックス| 2024年06月01日(土)
軍事偵察衛星の発射とゴミなどが入った袋を付けた風船を韓国に向けて飛ばすなど、北朝鮮が相次いで韓国や世界を挑発している。今度は短距離弾道ミサイル(SRBM)10発を日本海に向けて発射した。位置情報システム(GPS)電波妨害攻撃も2日連続で続いた。
韓国・統合参謀本部は「2024年5月30日午前6時14分ごろ、北朝鮮の平壌順安周辺から東海(日本海)に発射された短距離弾道ミサイルと推定される飛行体10数発を捕捉した」と明らかにした。ミサイルは約350キロメートルを飛行した後、日本海上に着弾したという。飛行距離などを考慮すると、超大型放射砲(KN-25)と推定される。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは、2024年4月17日に300キロメートル飛行した短距離砲1発を発射して以来、13日ぶりだ。北朝鮮の弾道ミサイルによる挑発は何度も繰り返されてきたが、このように超大型放射砲10発を大量に発射するのは異例と分析されている。
ミサイルは咸鏡北道沖合の無人島に向けて同時に発射されたという。
統合参謀本部側は「類似の航跡が一斉に移動したことから、種類は多くないと見ている。ロシアに輸出するための販売用のデモンストレーションと、その技術水準を誇示するための目的とみられる」と分析した。
韓国統一研究院のホン・ミン先任研究委員は「北朝鮮が国際社会に対する反発や武力示威のためにミサイル挑発をする場合、通常2発以上を撃たないことに照らすと、今回は別の目的があったとみられる。部品を輸入しなければならないため、KN-25を1発を撃つのにも費用がかかるのに、10発を、主にミサイルの精度をテストする際にターゲットとする無人島に向けて撃ったのは、武器の精度を高めたことを内外に誇示したり、販売するための目的だった可能性がある」と説明する。
統合参謀本部は「韓半島の平和と安定を脅かす明らかな挑発行為として強く非難する。堅固な韓米連合防衛体制の下、いかなる挑発にも圧倒的に対応できる能力と態勢を維持する」と発表した。
韓国大統領府は、北朝鮮の弾道ミサイル発射直後、イン・ソンファン国家安全保障室第2次長により安全保障状況点検会議を開き、対応策を議論した。
尹錫悦大統領は同日配布された韓・UAE(アラブ首長国連邦)共同宣言で「北朝鮮の衛星発射を含む弾道ミサイル発射を強く非難する」とし、北朝鮮に国際法の尊重と遵守、核拡散禁止条約への復帰、核兵器廃棄などを促した。
尹大統領はまた、新任のサミュエル・パパロ・アメリカインド太平洋司令官を接見し、北朝鮮の違法な核ミサイル開発と挑発の脅威の中で、堅固な連合準備態勢の維持と「韓米一体型拡大抑止」構築のためのインド太平洋司令部の積極的な貢献と支援を求めた。
国際社会も相次いで北朝鮮を批判した。日本の岸田文雄首相は「北朝鮮の弾道ミサイル発射は、関連国連安全保障理事会決議に違反したものとして強く非難する」と述べ、米国国務省も「北朝鮮に挑発的な行動を自制し、外交に復帰するよう促す」と述べた。
北朝鮮は5月30日に続き、この日もGPS電波妨害攻撃を行い、同日午前7時50分ごろから西北北西一帯にGPS妨害信号も検出された。このため、漁船と商船約160隻余りがGPS受信障害などで混乱を起こしたと把握される。
北朝鮮が相次いでさまざまな方法で挑発する中、国連軍司令部は、北朝鮮の対南汚物風船散布が停戦協定違反だとし、公式調査を進めていると明らかにした。
(2024年5月31日、ソウル新聞)