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北朝鮮の「反統一論」に積極敵に対抗すべきだ

ニュースリリース|トピックス| 2024年02月14日(水)

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 ついに北朝鮮が南北統一は不可能で、南北は敵対的な二国家関係だと宣言した。一つの民族や統一という用語も禁じ、関連組織を撤廃した。過去に南北は国連に共に加入することで国際的に両国と認識されたが、南北同士は基本合意書により国と国の関係ではなく、統一されるまで暫定的な特殊関係と規定したことがある。

 以後、国際的認識と南北間の認識が並立する二重的状況が続いた。今、当事者である北朝鮮が立場を変えたため、これら二つの認識の中で特殊関係という認識がエンジンを失う状況に処した。

 韓国の統一政策にも大きな苦労が予想される。それだけ今回の北朝鮮の宣言は南北関係と統一推進に重大な意味を持つ。

 これに対して政府は「一つの民族として共にしてきた長い歴史を否定する反民族的反歴史的行動」という立場を明らかにした。南北がひとまず応酬を行ったことになるが、北朝鮮が後続措置を行うであろうし、まだ論議は始まりに過ぎない。

 すでに北朝鮮は憲法改正を予告している。知られているように、北朝鮮は憲法に韓国を第1の敵対国として規定し、北朝鮮の主権行使領域を領土に定める。戦争が起こる場合、南を「平定」して北朝鮮に編入させる根拠も設けるだろう。

 さらに北朝鮮は、中ロなどを相手に「2つの国家論」を宣伝するだろう。中ロはアメリカとの対立が深化する状況で、自分の周りに北朝鮮という友好的緩衝国があることが有益であるため、北朝鮮に同調する可能性が大きい。

 さらに、アメリカも日本も内心は韓国が統一不可論と両国家論を現実に受け入れ、韓米日の共助に集中してくれることを望んでいる。韓米日と北中ロ間という対立の構図の下で、米日は韓国を韓米日陣営の一員としてしっかりと立場を固めることが何より重要になるだろう。あれこれと2つの国家論が衝突する余地がある。

 このような状況は、決して韓国にとってよいことではない。統一と関連した韓国の選択肢が減り、分断が永久化する可能性が出てくるからだ。

 韓国としては南北が特殊な関係であり、韓国は北朝鮮に特別な利害関係があり、南北は統一しなければならないという認識が広がらってこそ有利な立場に立てるだろう。例えば、北朝鮮で人道的災害が生じたり、北朝鮮住民が極度の迫害に直面してあらゆるところに集団的脱北するという危機が生じたとする。韓国がこれを同族の問題ではなく、他国の問題だとみなしてしまうならば、韓国が対処できる方法は大きく制約されるだろう。 その時、韓国がこれらを無視すれば、韓国は国際社会で責任や価値外交を議論する際にその資格さえ失ってしまう。

 1945年の分断は、強大国が新たに解放された朝鮮半島に38度線を描いたことから始まった。それから80年が過ぎた今、世界10位圏の中堅国となった韓国がさらなる永久分断の道に巻き込まれてはならないだろう。

 したがって、私たちは今の状況について強い問題意識を持つべきだ。同じ文脈で、政府は北朝鮮の主張に反対する立場を明らかにすることから、さらにはこのような状況が深まらないように積極的に手を打つべきだ。

 まず、南北は特殊関係であり、最終的に統一されなければならないという命題を実行するエンジンを生かすべきだ。このために、まず国内的にわれわれの立場を固める努力を行うほうがよい。

 幸いなことに、この問題に対する主な政治的な対立はない。ともに民主党の李在明代表も「北朝鮮の主張に同意できず、平和のためにならない」との立場を明らかにした。

 しかし国内には、統一に消極的で無関心な世論が少なくない。このような世論を網羅して社会全般的な議論を起こすことで、徐々に南北間の特殊な関係と統一の必然性を国民が支持するように強化すべきだ。そうすれば、韓国の立場が固まってくるだろう。

 次に、このような立場を土台に日米を説得し、韓国の立場を支援するように外交的努力を強く展開すべきだ。同時に、中ロに対しても分断を固定化し、北朝鮮の核開発の高度化を後押しするようなことがないように交渉すべきだ。

 もちろんそのためには韓中、韓ロ関係を今のように悪化させるようではいけない。中ロとの外交空間を拡げて、必要な協力をしながら韓国の立場を反映させる努力が必要だ。

 一方、北朝鮮の憲法改正の動きを注視しながら、韓国の憲法改正も検討しなければならない。これは韓国の立場を固めるための努力の一環でもある。これについては社会的議論が必要だ。

 北朝鮮が憲法に、有事の際には韓国を北朝鮮の領域に編入させる条項を新設するというのであれば、韓国も西ドイツの基本法23条のように、統一時に北朝鮮地域を韓国に編入できる根拠をつくる案も検討するに値する。

 われわれが今こそ積極的に対応しなければ、朝鮮半島は分断の永久化という別の100年の道に足を踏み入れることになる。今がその瞬間かもしれない。

 嘆かわしいのは、そのような転機を北朝鮮が提供したという点だ。心配すべきは、周辺の主要国が持つ力学が統一を阻害する方向に流れる可能性が大きいという状況で、韓国内では統一に消極的な世論が大きいということだ。

 政治家と社会指導層が統一に対する意志をしっかりと持つことが要求されている。当事者である韓国が行動に移すべきだ。韓国以外にそのような国はない。

(中央日報2024年2月14日「中央時評」魏聖洛・元朝鮮半島平和交渉本部長)
https://www.joongang.co.kr/article/25228496


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