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著名エコノミストに聞く北朝鮮経済の現在

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2023年08月03日(木)

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北朝鮮経済の現況について、朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リ・ギソン)教授(功勲科学者、候補院士、博士)に聞いた。以下はその内容。

 社会主義建設の全面的復興・発展が望まれている中、自力更生、自給自足のスローガンを高く掲げ、朝鮮労働党第8回党大会で提示された国家経済の整備補強戦略を実現し、国家の自律的経済の土台をしっかりと固めるため、全人民的な大進軍が力強く行われている。

 現状の社会主義建設では、経済発展戦略とは国家経済の整備強化戦略のことを言う。

 この戦略は国家の経済事業システムと部門間の有機的な連携を復旧・整備士、自律的な土台を固めるための事業を推進することが挙げられる。また北朝鮮経済をどのような外部的影響によって揺らぐことなく、円滑に運営されるように正常起動へと乗せることを目的としている。

 国家経済の整備強化戦略に基づき策定された新たな国家経済発展5カ年計画は、北朝鮮経済の現況と潜在力に基づき、持続的な経済成長と人民生活の明らかな改善へと進むことを目標している。

 5カ年計画の2年目となる2022年に北朝鮮では、部門、単位とも全般的に現在の生産を活性化させながら整備補強をより力強く推進し、国の経済を正常起動に乗せて人民に安定的で向上した生活を提供することに総力を挙げるという目標を掲げた。2022年、これまでに類を見ないほどの試練と難関を勝利するようにリードされた金正恩総書記の洗練された領導の下、朝鮮人民は頑強な闘争を繰り広げ、人民経済の重要部門で年間計画を完成し、自立的生産の土台を拡大・強化するというはっきりとした成果を出した。

各経済部門ではどうなっているか

 金属工業部門では、われわれの燃料を使用した鉄生産方法を技術的にバージョンアップし、原料と燃料、資材を確保して鉄鋼の再生産を増やし、金策(キムチェク)製鉄連合企業所と黄海製鉄連合企業所に増設中の省エネ型酸素熱法溶鉱炉の建設に注力している。千里馬製鋼連合企業所の圧延鋼再生産の能力を向上させるための連続造塊機増設工事でも大きな進捗を見せている。

 化学工業部門では、新たにつくられた化学肥料生産能力を十分に発揮し、より多くの肥料を生産している。また軽工業と製薬工業に必要な原料生産を増やし、自立経済の根幹を新たに打ち立て、化学工業の新機軸を整えるための対象に向けて大きな成果を出した。

 北朝鮮に豊富なヘマンチョを原料とする南興青年化学連合企業所における大規模炭酸ソーダ生産工程がしっかりとした技術により現代的な姿で竣工した。新義州化学繊維工場では、製紙生産工程の改造事業が推進された。アシを原料とするリオセル繊維生産工程の建設も進んだ。

 漁郎川地区の大規模解団式発電所の最終建設対象となる漁郎川3号発電所建設が竣工し、瑞川発電所1段階建設が最終工程に入っており、クジャン青年2号発電所をはじめとするいくつかの中小発電所が建設中だ。さらに発電所の設備管理・水管理を改善し、水力・火力による電力生産を安定的に行えるための事業を責任を持ち、国家の年間電力生産計画を実施した。

 石炭鉱業部門では、埋蔵の探査を進め高速度掘進運動を継続して注力している。生産をより増やし、先進的な採炭方法と機械手段を積極的に利用している。

 金星トラクター工場2段階リニューアル対象が終わった。性能の高いトラクターと農業用機械を大量生産できる基盤ができた。北朝鮮の輪転機械工業の発展に向けた重要な拠点ができた。

 発電設備や炭鉱、鉱山機械の設備、化学工場などの対象設備が生産され、クソン工作機械工場でCNC化された電極外径ネジ加工盤、電極内径ネジ加工盤を独にの力と技術で開発・生産した。

 鉄道運輸部門では、輸送組織とその指揮系統を緻密に行い、鉄道車両増産と技術状態の回復で前進が見られた。人民経済の重要部門に対する貨物輸送計画を策定した。

 ソンファ通り1段階1万世帯の住宅竣工式が行われた。普通江河岸住宅区が完成し2023年4月にファソン地区1段階1万世帯の住宅竣工式が行われた。

 ヨンポ温室農場が約280ヘクタールの土地に現代化、集約化、工業化された850棟の水耕・土壌温室、1000世帯の住宅、学校、文化施設、総合サービス施設など230棟ほどのが建物が出現し、これをモデルケースとしてすべての道に温室農場建設が推進されている。

 順天セメント連合企業所の生産能力拡大を目指して改修を進め、市や郡にセメントの供給が進んでいる。最終建材の開発と生産基地構築が推進され、最終建材の国産化を実現している。

 軍需工業部門では、5500大の農業機械を黄海南道に送り、農村の田畑の地力を高め、先進的な営農方法を導入した。中小河川の整理を進め、大水被害による農耕地浸水を減らすことができるようにした。

 小麦・大麦の栽培面積と生産を増やし、食生活の改善と乳製品の生産・囲うの技術的基礎が確立され、全国の保育所や幼稚園の子どもたちに乳製品と栄養食品が供給された。

 2019年から始まったウォル島干拓地建設が完工し、3300ヘクタールほどの新たな土地が出現した。

 軽工業の工場では原料と資材を6カ月以上先行し、質の向上と品種の拡大、原価低減を進めた。そのため消費品の生産が増え、キムファ郡に食料工場や副工場、日用品工場、製紙工場が地方工業発展のモデルケースとなった。食料工業部門の標準となるテソン山アイスクリーム工場が竣工した。

2023年に推進中の経済案件と5カ年計画

 2023年には、すべての経済部門での生産を活性化させ、党第8回大会が決定した整備補強計画を基本的に終えることが中心的課題となっている。すべての経済部門・単位で原稿の生産状況を活性化させることで当面の需要を満たす一方で、生産能力の拡大に向けた基礎として蓄積をさせていく。穀物など人民経済発展の12の重要目標を達成するための闘争に注力し、整備補強事業を積極的に推進、2023年内に基本的に終わらせるようにする。

 2024年からは銀術力をより発展させ、またより合理化して設計能力通りの生産が円滑に進めるようにする。2025年末までには基幹工業など経済部門の生産目標達成はもちろん、国内総生産額は2020年比で1.4倍以上、人民消費生産は1.3倍以上の成長を目指す。

 金属工場では現在の生産工程での正常稼働を行い、鉄鋼の再生産を増やしながら質的改善を図る。金策製鉄連合企業所や黄海製鉄連合企業所の省エネ型酸素熱法溶鉱炉建設、千里馬製鋼連合企業所の鉄鉱山の能力拡張工事を基本的に完成させる。

 炭素1科学工業の創設、新義秀化学繊維工場リニューアル、順川地区栄養液肥料工場建設を推進し、肥料など各種化学製品の生産を増やせるようになる。

 瑞川発電所1段階を竣工し、いくつかの中小小型発電所を建設し、電力生産横領や送変電能力を拡大させる。炭鉱で探査と掘進を進めてより多くの石炭を確保し、先進的で合理的な採炭方法によって石炭生産を決定的に増やすことを目指す。

 採取・機械・交通運輸部門でも整備強化事業を推進し、現代化を進めて生産を増やしていくことになる。

 ファソン地区2段階1万世帯住宅建設、ソポ地区住宅建設、剣徳地区住宅建設、農村住宅建設を進めていく。

 セメントの生産能力拡大を目指して新規事業を立ち上げ、市や郡に農村住宅建設向けに多くのセメントを前倒しで供給できるようにし、最終建材の生産と質の向上にも注力する。

 災害をもたらす異常気象に対して耐性があり、1ヘクタール当たりの収穫量が高い品種の種子生産を増やし、全般的な干害システムを完備させ、農業の機械化、干拓地リニューアルと新地探し、農業研究機関の先端基地化を積極的に推進する。

 現代的な軽工業の工場を新たに建設し、すでにある工場の技術力向上を追求し、水産部門では養魚・洋食を発展させるための事業を強く推進していく。
 



  • 新たに竣工したファソン地区1段階1万世帯住宅

  • 李基成教授

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