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「1人も感染者がいない」北朝鮮の防疫対策

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2020年05月04日(月)

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 現在、新型コロナウイルスとの熾烈な戦争を世界は繰り広げているが、1人の感染者もなく平穏に生活を維持している北朝鮮の存在がクローズアップされている。その原因について、中央非常防疫指揮部防疫分科長のパク・ミョンス科長(保健省国家衛生検閲院院長)と話を交わした。

―新型コロナウイルスの流入を防ぐための初期防疫対策をどのように立てたのか。

パク:北朝鮮では2019年12月に新型コロナウイルスが発生した当初から、その動向を綿密に注視しながら非常設機関である「中央非常防疫指揮部」を組織し、水も入る隙間もない超特級の非常防疫措置を稼働させた。全国的に防御的対策を徹底できる組織性と一致性、義務性を保障することで、とても安定的な防疫状況を維持している。国境を通じ入ってくる人員に対する検査・検疫を綿密に行い、該当国から搬入される物資に対する放置期日と消毒指導書などの規定をつくり、その予防措置をとった。われわれは国境封鎖から始まり、海上、空中に至るまでウイルスが伝わることができるすべての通路を全面遮断した。

 学生たちの休み期間の延長と休養地の運営中断、集会の中止、すべての住民に対するマスク着用の義務化など、新型コロナウイルスがわが国に入ることができないように実質的な措置をとった。すでに立案されていた「戸担当制」の役割をさらに高め、すべての担当医師が自分の担当住民に対する状況把握を徹底して行うようにし、先んじて科学的で先制的、攻勢的な措置を連続して行った。また、他の国から入国する人員と北朝鮮に滞留している外国人に対し、30日間の隔離をすべて適用した。

―このような措置に対し、外国人はどのような反応だったか。

パク:初期に一部大使館と外国人の中で、他に国で実施していないこのような措置をなぜ朝鮮民主主義人民共和国だけ行うのかといった疑問を持つ人がいた。しかし、大部分の外国人は北朝鮮の措置について積極的に協力し、現在は隔離から解除された状態だ。今は、われわれが行った措置が正当なものだったことを認めるだけでなく、一部外国人のなかでは継続してわが国に残ることを望んでいる。

―隔離者に対する対策はどのように行われたのか。

パク:国家的な対策として、定められた場所に定められた期間で対象者を隔離し、保健関係者の医学的監視を集中的に進めた。隔離者はもちろん、感染が疑わしい者についてはRTPCR(拡散増幅検査)を進めた。隔離された者には食料と衣服などを生活必需品を国家から無料で保障し、生活上の便宜を最大限保障するようにした。

―各道、市、郡に対する管理はどのようにしているのか。

パク:中央非常防疫指揮部の措置に従って、平壌市から各道、市、郡に至るまで指揮部を設置して管理している。平壌市と同じように戸担当制の役割を強化し、国境地域には特別に非常防疫指揮部の役割をさらに高めており、指揮部が週に1度ずつ全国の道、市、郡とテレビ会議を行って、各所に現れている特徴と問題をきちんと把握している。

―現在まで、新型コロナウイルスの感染者は一人もいないが、その決定的な要因は何か。

パク:それは金正恩委員長が先見の明を持った賢明な決断をされ、超特級の防疫措置をとるようにされたためだと考える。金委員長は新型コロナウイルスが発生した時から具体的に理解され、ウイルスが流入・拡大する考えられる要因に対しあらゆる措置をとるように指示された。そして、今年4月11日に行われた党中央委員会政治局会議では、世界的な大流行伝染病の継続的な拡散推移に対処し、北朝鮮人民の生命安全を保護するための国家的対策を継続して厳格に実施するための措置をとられた。

 このため、共和国政府は人民の生命財産を国事中の第一国事として、人民の生命安全を国がまず行うべき義務と考え、新型コロナウイルスを防ぐための事業に全国家的な総力を集中した。

―現在、他の国に常駐している共和国の人たちの中でも、新型コロナウイルス感染者が出ていないが、これについて何か体質的な原因があるのだろうか。

パク:わが国で少なくはない人が外国に住んでいるが、一人の感染者もいないのは事実だ。それは、海外に出ている人たちも徹底してわが国の防疫システムに従って防疫対策をきちんと行っているためだと思う。

 一方、かつてのSARSや豚インフル、MERS、エボラ出血熱などが発生したとき、一部の外国人と外信の中にはこのような伝染病が朝鮮に入っていないことについて、わが国の伝統的な食べ物であるキムチや味噌汁のような飲食文化と関連しているのではないかと評価したこともある。最近では、免疫能力を高めることに効果がある高麗人参やキムチなど、発酵食品を多く摂取するくにでは、新型コロナウイルスによる死亡者数が多くはないという医学界の一部の資料もある。

―マスクなど衛生用品はどのように保障しているか。

パク:いま北朝鮮では、新型コロナウイルスを防ぐための防疫手段と力量を強化するための事業に総力を挙げている。国際的基準に合い、かつわが国人民の嗜好に合うマスクと消毒剤、体温計の生産能率を以前と比べ数倍に高め、すべての人が衛生学的要求に合わせて衛生用品を使用できるようにしている。

 いま世界保健機関など国際機関は、今回の新型コロナウイルスとの戦いを通じて、朝鮮が防疫力量と防疫手段、防疫システムが円満に機能している国だと述べているが、朝鮮は言葉通りに、防疫先進国だと評価している。




  • パク・ミョンス科長

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