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【整理】朝鮮労働党政治局会議、最高人民会議第14期第3回会議での新型コロナウイルス関連事項

ニュースリリース|トピックス| 2020年04月15日(水)

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【政治局会議】
・会議の議題として、
「世界的な大流行伝染病に対処してわが人民の生命の安全を保護するための国家的対策をいっそう徹底的に講じることについて」(朝鮮中央放送4月12日)
 が決定されている。

・この議題に関する報告の中で、
「昨年末に発生したウイルス伝染病が世界的に急激に拡散しつつ、国境と大陸を横断する全人類的な大災難へと拡大しているという現実は、ウイルス感染の危険が短期間で解消されるのは不可能であり、従って、このような環境は、われわれの闘争と前進にも一定の障害をつくり出す条件となる恐れがある」
「政治局会議では、世界的な大流行伝染病の持続的な拡散の推移に対処して、ウイルスの流入を徹底的に遮断するための国家的な対策を引き続き厳格に実施することについて強調された」

・会議では、朝鮮労働党中央委員会、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会、朝鮮民主主義人民共和国内閣の共同決定書である、
「世界的な大流行伝染病に対処してわが人民の生命の安全を保護するための国家的対策をいっそう徹底的に講じることについて」
が採択された。

・共同決定書には、国家的な非常防疫事業を引き続き強化していき、今年の経済建設と国防力強化事業、人民の安定のための具体的な目標と、党・政権機関、勤労団体、武力機関をはじめとするすべての部門、すべての単位の闘争課題と方途が明示されている。

【最高人民会議】
・4月13日付け『労働新聞』に掲載された「朝鮮民主主義人民共和国主体108(2019)年国家予算執行の決算と主体109(2020)年国家予算について」を掲載。

・この中で、保健部門に関して、
「保健部門は、敬愛する最高領導者同志が人民の生命と健康を第一に重んじ、世界的に急速に伝播している新型コロナウイルス感染症を防ぐための国家非常防疫体系を稼働させ、国家的に強力な超特級防疫措置を講じた崇高な意志を高く奉じ、全国的規模で医学的監視および隔離事業を高い強度で行い、わが国でいまだにただ一人の感染者も発生しないようにしたし、党の領導業績が厚く宿っている保健単位を近代的に整備して保健部門の物質・技術的土台をさらに堅固にした」
と報告。

・「社会主義のイメージの主たる微表である保健部門に力を入れ、各級治療・予防機関を保健医学的要求に即して十分に整備し、諸製薬工場および医療器具工場を改修、近代化することをはじめ、保健部門の物質的・技術的土台を強化する事業を効果的に行っていき、人民の生命・安全を第一に考え、新型コロナウイルス感染症の伝播を防ぐための国家非常防疫事業を引き続き強化していく」

・「朝鮮民主主義人民共和国主体108(2019)年国家予算執行の決算と主体109(2020)年国家予算について」において、国家予算の歳出で「保健部門は昨年比107.4%」を予定していると示された。この分野の予算を増額したことがわかる。

・『労働新聞』に掲載された代議員らの発言のうち、保健相である呉椿福代議員の発言が掲載されている。
 -平壌総合病院着工式について
 -新型コロナウイルス感染症を徹底的に防ぐための防疫事業が全国家的、全人民的な事業へと確固として転換された
 -同感染症が北朝鮮国内でいまだ発生していないことは、人民の健康の保護を第一の財産、人民の笑顔を第一の国力と見なすわが敬愛する最高領導者同志が講じた先制的かつ攻勢的な超特級防疫措置の必然的結果である
 -同感染症をはじめとする各種伝染病がわが国に絶対に入り込まないよう、一瞬の緊張も緩めることなく、最後まで衛生防疫事業を頑強に推し進めていく
と発言している。

【その他】
・2020年4月14日付け『労働新聞』論説「党中央委員会政治局会議の精神を高く奉じて国家的な非常防疫対策をいっそう厳格に! 緊張を緩めず引き続き総力を集中しよう」を掲載。
 -「一部の幹部と住民の間で、国家的な非常防疫期間が長期性を帯び、いまだわが国に伝染病が入っていないからといって、伝染病予防事業に慢性的に向き合う現象が現れている」と指摘。
 「こんにち、世界的な大流行伝染病を徹底的に防ぐための事業で最も警戒すべき問題は、これまでの成果に満足して警戒を緩める現象だ。これは、人民の健康を守るための防疫事業で絶対に黙認され得ない」と強調している。

◆今回の党中央委員会政治局会議、最高人民会議における新型コロナウイルス関連内容を見ると、現時点では北朝鮮国内で感染封じ込めに対する自信を深めながらも、中国やロシアなど近隣諸国、ひいては世界的な拡散がいまだに収束傾向を見せていないことに強い危機感を感じているのではないか。そのため、コロナ事態の長期化を予想し、国民に対しても長期戦の覚悟を持つように強調していることがうかがえる。また、保健分野の予算増額もそのためだと思われる。

◆となれば、経済的な悪影響は避けられない。今後も「正面突破戦」を掲げ、自力更生的な経済活動を強調していくのだろう。


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