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北朝鮮経済は大きく萎縮しているが為替・油価などは安定(VOA)

ニュースリリース|トピックス| 2019年12月21日(土)

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 国際貿易センター(ITC)が北朝鮮の2019年10月の対中貿易の状況を発表。10月の対中輸出額は1646万ドルで前年同期の6%水準(18年10月は2億7092万ドル)。対中貿易赤字額は、史上最大を更新中。

 2019年1〜10月の対中輸出額は19億0251万ドルに過ぎず、前年から大きく減少した。主要貿易相手国10カ国を見ても、貿易額は前年比90%超の減少。

 しかし、為替レートは安定し、油価などが著しく上昇したという話はない。

 「2億7500万〜10億ドル相当に上るとされている中国人観光客からの収入や、海外に派遣している北朝鮮労働者からの収入、または密輸などから得られる収入が、北朝鮮の貿易縮小による外貨不足を埋めているのではないか」
 (韓米経済研究所(KEI)のトロイ・スタンガロン・シニアフェロー)

 「中国人観光客などによる外貨収入は経済制裁の対象ではない。これらの収入が北朝鮮にとって主要な外貨収入となり、外貨不足分を埋めている。現在でも、中朝国境周辺には北朝鮮製品が多く出回っている」
 (元世界銀行顧問のブラッドリー・ボブソン氏)

 「北朝鮮が特定の国家や機関などから財政資金を調達している。外貨資金の流入や中国からの援助、中国企業などからの支援があれば、経済状況はそれほど悪くなり得ない」
 (米カリフォルニア州立大学サンディエゴ校のステファン・ハガード教授)

 だが、長期的には北朝鮮経済の先行きは暗いと見る専門家が多い。

 「経済制裁が長期化することがで外貨不足がさらに深刻になり、北朝鮮がいま最も望んでいる経済成長を遅らせる要因になる」
 (ヘリテージ財団のアンソニー・キム研究院)

<VOA、2019年12月19日>


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