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北朝鮮で広がる温室野菜技術

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2023年01月31日(火)

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 朝鮮で野菜生産に国家的関心と投資が増大している。農業研究員平壌野菜科学研究所のナム・ムンス研究士から話を聞いた。

――2022年10月10日、咸鏡南道の連浦(リョンポ)温室農場の竣工式が行われた。温室農場について、少し説明してほしい。

 280ヘクタールの土地に現代化、集約化、工業化がハイレベルで実現された850棟あまりの水耕・土壌温室、99タイプの1000世帯の住宅、学校、文化施設、総合サービス施設などが立ち上がった。

 生産面積や生産能力でも世界最大規模であり、野菜生産の現代化、集約化、工業化も高い水準であるリョンポ音質農場は、朝鮮の温室農場の新たな標準、われわれ式農村文明創造の新たな拠点となっている。

――2019年に竣工した咸鏡北道の仲坪(チュンピョン)温室農場と比べるとどうなるか。

 
連浦温室農場はチュンピョン温室農場よりもはるかに発展した技術と設備を保有する。830棟の水耕温室には世界レベルの現代的な水耕栽培技術が導入された。キュウリやトマト、トウガラシ、スイカ、白菜、その他野菜など実を結ぶ野菜と葉野菜などが育成されており、地熱冷暖房施設が設置された数十棟の温室では、季節に関係なく野菜の苗を育てることができる。

 二重薄膜システム、保温技術などで保温効果を高め、冷暖房がない条件でも野菜を生産でき、無土壌栽培方法が導入されたことで労力を節約しながらも生産性をはるかに高めることができる。

 1ヘクタールの土地面積の両耕斜面連結式ガラス土壌温室、10棟あまりの半球連結式薄膜土壌温室では、機械利用率を高めて土壌栽培に適合した多くの野菜を生産している。

 温室野菜生産の現代化や集約化、工業化は世界的な流れだ。両耕斜面連結式ガラス水耕温室をはじめとする水耕・土壌温室は、現代化、集約化、工業化の側面から先進的な農業技術を普及する実物教育農場の母体といえる。

 農場で構築された統合精算システムによる指揮統制により、野菜作物別、生育段階別に栄養補給量などそれぞれの特性を示したデータによって、自動的に栄養量が供給されるようになっている。そして供給された栄養容器を消毒し、栄養元素を補充し、再利用するシステムが導入され、肥料節約と生産正常化に貢献している。

 腐植土生産工程と水耕温室栽培気質生産のための基礎も構築され、野菜生産の工業化、現代化に一役買っている。

――平壌野菜科学研究所では、野菜科学研究と生産のためどのような事業が行われているのか。

 2022年の1年間、多くの種類の味がよく、栄養価も高い音質野菜品種を新たに育種し、国家品種として登録した。そして、新品種の野菜作物栽培から得られた経験を全国に普及させるための事業に注力している。

 生産性が高い機能性野菜である「温室キュウリ39号」「沙里院トウガラシ」といった品種と、北部高山地帯の太陽熱温室でのトウガラシ多収穫栽培、野菜作物噴霧用の殺菌栄養強化剤「大城山1号」、半球式薄膜温室でのドロップ式灌水システムの設置・運用技術、太陽熱温室での青人参栽培技術などを導入するための事業を積極的に推進している。

 近い将来、各地の温室野菜生産基地で機能性野菜品種の数と生産量を画期的に増やし、その目標を高く掲げ、多収穫栽培技術の導入を活発に繰り広げている。
 



  • リョンポ温室農場

  • リョンポ温室農場の住宅

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