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アメリカ通の崔善姫氏が新外相に

ニュースリリース|トピックス| 2022年06月12日(日)

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アメリカ通の崔善姫氏が新外相に

対南政策の総責任者には李善権氏を任命
朝鮮労働党総会で大々的な人事、対外政策が可視化されるかに注目
軍人事も一部実施、党経済部長、軍需工業部長も交代

 北朝鮮がアメリカ通とされる崔善姫外務省第1次官を新たに外相として任命した。対南事案を総括する朝鮮労働党統一戦線部長には、李善権元外相が任命された。米韓との緊張が続く中で、北朝鮮の対外事案に関与する主要人事が前面に配置された模様だ。

 

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は2022年6月11日、同月8日から10日まで行われた朝鮮労働党中央委員会第8期第5回総会拡大会議で行われた大々的な人事内容を報道した。新外相に任命された崔善姫氏は、2018年に韓国やアメリカと行われた非核化交渉の時に主要人物だった。崔氏はアメリカとの交渉を担当し、重要な時期には記者会見を開いて北朝鮮の立場を説明するなど、非核化交渉の全面で活躍した。

 

 2019年2月にハノイで行われた米朝首脳会談が決裂した際にも、平壌に戻った後に外信記者を対象に記者会見を開き、注目を集めたこともある。2021年3月にも談話を発表、「アメリカがいくつかのルートで接触を試みたが、対朝鮮敵対視政策を撤回することなしには、どのような対話もないだろう」との立場を明らかにするなど、これまでも対米窓口であることが確認されたことがある。

 

 北朝鮮が事実上、2019年以降はアメリカとの交渉を中断した状況において、崔氏を外相に任命したことは注目に値する。北朝鮮が中長期的にアメリカとの交渉を準備している状況だと分析することも可能であるためだ。

 

 北朝鮮は対南事案を総括する朝鮮労働党統一戦線部長には、李善権氏を任命した。李氏は対南分野に集中して従事してきた人物として、交渉の前面で活動してきた。2018年の非核化交渉で南北関係が対話局面に入った際、対南機関である祖国平和統一委員会委員長として、韓国統一省との対話を総括したこともある。

 

 2020年には突然外相に任命され、その背景についてさまざまな分析がなされたが、その後2年間、一度も政治的な立場がかわることなく、外相としての仕事を行い、再び対南の責任者として異動することになった。

 

 ただ、各分野別において精通した人物を配置したことで、当面は北朝鮮の対外戦略をどう読むか複雑になるのではとの観測もある。

 

 北朝鮮はそれ以外にも、党中央委員会・政治局と軍高官人事も一部行った。韓国統一省は北朝鮮が投資の組織と党勢を強化しながら党政治局・書記局を大幅に交代したが、政治局委員は11人から9人に減らし、書記局7人のうち経済と規律、科学教育を担当する3人が変更されたと判断している。

 

 金正恩総書記の最側近である趙勇元組織初期は、党組織指導部長を兼任するようになった。趙氏は藤堂党の最高権力機関として党の綱紀確率を担当する組織指導部関連の業務をすべて行うようになり、最高の実力者の1人であることが再確認された。

 

 前任の組織指導部長である金在龍氏は党書記へ昇進した。金氏は各種党事業の検閲に責任を負う党中央検査委員長にも任命されたことも、金総書記の親任が熱いことが改めて確認された。統一省によれば、2022年5月15日の党政治局協議会で叱責を受けたウ・サンチョル中央検察所長はそのままであると推定している。

 

 また軍と社会安全を担う総政治局長、総参謀長、社会安全省、国家保衛省も大部分が交代した。総参謀長にはリ・テソプ社会安全相が任命された。新社会安全相にはパク・スイル第1軍団長がなった。国家保衛相のチョン・ギョンテク氏は軍の綱紀を担当する総政治局長に、新国家保衛相にはこれまでの行動が具体的に確認されていないリ・チャンテという人物が新たに起用された。統一省はリ・テソプ、チョン・ギョンテク、パク・スギルなど一部指揮官の調整配置は軍の主要職責経路上、昇進人事だとみている。

 

 北朝鮮は党経済部長も交代させた。チョン・ヒョンチョル党経済政策室長が経済部長となった。チョン氏は政治局候補委員から委員へと昇進している。武器開発に関与する党軍需工業部長に、チョ・チュンリョンが任命された。チョ氏はこれまで、北朝鮮の軍需経済(第2経済)の要である第2経済委員長だったこともある。

 

 2021年、党の主要高位職から外されて失脚節も出ていたパク・テソン氏も、党書記に任命され復活した。パク氏は2021年1月の党大会で宣伝扇動部担当書記・同部長に任命されたが、ひと月あまりで公式の席上から消え失脚説が流れていた。党大会で経済部長に任命され1カ月で更迭されたキム・ドゥイル氏も内閣政治局長兼党委員会責任書記に任命されたことも目を惹く。

 

 統一省は「パク・テソン、キム・ドゥイル氏の場合、2021年上半期に経済・防疫問題で解任されたものの、1年ほどで復帰したことになる」と説明する。

(2022年6月11日、「ニュース1」)

 

https://www.news1.kr/articles/?4708828&fbclid=IwAR3mEUa9qlrhgSLrwDHCwJDgBdu-ZzDGRkjmkjdJHkgwFIX5R1MXR1i59Rw


 


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