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【火星17型】射程距離1.5万キロメートルへ、アメリカ本土が射程圏内

ニュースリリース| 2022年03月26日(土)

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 北朝鮮が24日に発射した大陸間弾道ミサイルの最長射程距離は、2017年に発射した火星15型の最長射程距離である1万3000キロメートルをはるかに超え、1万5000キロメートルに至ると推定される。韓国合同参謀本部によれば、24日の最高行動は6200キロメートル、距離は1080キロメートルと推定される。2017年11月29日に発射された火星15型の最高高度は4475キロメートル、射程距離は950キロメートルで、これをはるかに超える。4年間に高度は1725キロメートル、飛行距離は130キロメートル伸びたことになる。

 合同参謀本部は24日、ICBMについて火星15型を技術的に向上させて再発射させた可能性と、3月16日に発射に失敗した火星17型を再度試験した可能性もあると見ている。政府高官は、「北朝鮮が火星15型を発射した可能性も念頭にある。一部の差はあるが、エンジンの推力を向上させ、弾頭部の重さを再調整した可能性もある」と明らかにした。

 北朝鮮が2月27日と3月5日に発射したが、火星17型の性能を試験しており、3月16日には該当する機種の発射に失敗したため問題を改善して再試験しようとしたという観測が優勢だ。もし2017年11月を最後として発射した「火星15型」を再発射したとすれば、当時よりも相当な技術的進展が見られたことになる。今回発射したICBMの最大射程距離は4年前の火星15型の最大射程距離と推定されている1万3000キロメートルをはるかに超えるものになる。火星15型の射程距離は9000~1万3000キロメートルになると分析されているが、今回のICBMを高角ではなく通常の角度(30~45度)で発射した場合、射程距離は1万5000キロメートルをはるかに超えるとは、専門家の共通した見方だ。

 世宗研究所北朝鮮研究センターの鄭成長センター長は、「火星15型の射程距離は600キログラムの核弾頭を搭載した時に最大1万2500キロメートル、軽量化された450キログラムの弾頭であれば1万5000キロメートルになるだろう。24日に発射されたICBMを通常の角度で発射すれば、1万トン以下の弾頭重量で1万5000キロメートル程度、飛行できるのではないか」と説明する。これは、アメリカ本土全域を射程距離に置くことができる。北朝鮮が2021年1月に開催した朝鮮労働党第8回党大会で明らかにした「1万5000キロメートル射程圏内の打撃命中率の向上」という目標を達成したことになる。

 火星17型は世界最大の「怪物ICBM」という別名を持っている。2020年10月、朝鮮労働党創建75周年を記念した閲兵式で、11軸22輪の移動式ミサイル発射台に積んで登場した火星17型は、長さが22~24メートルと推定される。火星15型は21メートルで、9軸18輪の移動式ミサイル発射台に積まれており、火星17型より短くて軽い。火星15型の直径は2メートル、火星17型は2.4メートルだ。アメリカのミニットマン3の長さは18.2メートル、中国の新型東風(DF)41は21メートル、ロシアの新型トーポリMは22.7メートルだ。

 24日に発射されたICBMが火星17型であれば、北朝鮮が搭載重量を増やし、多弾頭の搭載を試みたという見方も出てくる。弾頭部がネックだった火星15型とは違い、火星17型は核弾頭が2、3個搭載できるように開発された。多弾頭搭載が可能となれば、目標上空で弾頭が分離され、複数の目標を同時に攻撃できる。

 北朝鮮が最長射程距離を確保したとしても、大気圏再突入技術まで完成したかどうかには、分析が食い違っている。多弾頭搭載型のICBMに必須のPBV(ポストブーストビークル)も一部識別されたが、技術が完全なものなのかは把握されていない。

 まもなくICBMを通常角度で発射する可能性も出ている。21世紀軍事問題研究所のリュ・ソンヨプ先任研究委員は「今回の発射は多弾頭で搭載可能な性能を誇示したもの。次の段階として、通常角度で発射し、日本列島を越えて太平洋に落ちるシナリオが有力だ」と指摘する。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「弾頭搭載能力を高めた多弾頭ICBMを開発しようしている」と分析する。

 一方、合同参謀本部は北朝鮮の発射に対応して、日本海でミサイルを発射した。合同参謀本部は「軍は北朝鮮がミサイルを発射すればいつでも発射地点と指揮施設などを精密打撃できる能力と体制を備えていることを確認した。追加発射に備え、監視と警戒を格上げし、米艦の緊密な協調の下で体制を維持している」と明らかにした。
(2022年3月25日ソウル新聞)


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