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朝鮮労働党第8回党大会に関する疑問点

ニュースリリース|トピックス| 2021年01月13日(水)

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 2021年1月5日から開催されていた朝鮮労働党第8回党大会。12日には労働新聞などが部門別協議会の開催も報道し、党中央委員会事業総括報告で示された課題を決めるための決定書草案の検討が始まった。この日の決定書が採択されれば、13日に公開されるものと思われる。

――党大会が長引いた理由は。

 党中心の国家体制である北朝鮮で、党大会は今後5年間の国家ビジョンを提示し、政策を決定する最高意思決定機関だ。ここで採択される「決定書」は、韓国の100大国政課題のような性格がある。第7回党大会の時には開会2日で事業総括報告書を終え、翌日に決定書を採択した。今回は4日間の総括報告と討論、草案作成に1日をかけるなど相当な時間をかけている。これは、大会初日に金正恩総書記が自ら経済の失敗を認めざるをえないほど厳しい状況にある北朝鮮が、今回は必ず成果を出さなければならないという切実さを持っているためと思われる。具体的で実現可能な目標を立てることに集中しているようだ。

――大抜擢された趙勇元の序列は。

 党の意志決定を担当する権力機関は、党中央委員会政治局と政治局常務委員会だ。政治局候補委員を経て委員になり、このうち核心的な人物が金総書記を含めて5人の常務委員となる。趙勇元が常務委員になったのは、序列5位内となったことを意味する。今回、趙勇元の名前が崔竜海氏に続いて2番目に呼ばれ、序列3位となったのではないかという見方が出ている。それ以降も、趙勇元が軍を代表する李炳鉄や内閣を代表する金徳訓より先に呼ばれることになれば、党優位の国家体制を公式化するともみることができる。

――対南・対米担当者らは降格したのか。

 北朝鮮はこれまで、10人で構成される党副委員長を7人の党書記体制とし、対南・対外担当をなくした。2019年2月の米朝首脳会談で「ノーディール」となって以降、党統一戦線部長から退いた金英哲・元党副委員長が再び統一戦線部長に復帰したが、書記にはなれなかった。事実上の降格となる。統一戦線部長だったチャン・グムチョルは解任された。米朝交渉の実務を担当していた崔善姫外務省次官もまた、中央委員会委員から候補委員会に降格され、李善権外相もまた政治局候補委員だけを守った。米国を相手とする対外担当書記というポストは消えた。その代わりに、中国担当のキム・ソンナム(中央委員会員)党国際部第1副部長が「党国際部長」へ昇進した。これは南北、米朝関係で成果を出せなかったことに対する問責人事とも取れるが、今後の米国の外交安保チームによって変わる可能性がある。

――党大会中に閲兵式は行われたのか。

 北朝鮮が党元老らを記念行事に招待したというニュースが伝わり、記念行事に閲兵式が含まれる可能性が提起された。党大会の付属行事として閲兵式を行えば、縮小された形式になると思われるが、党大会で閲兵式を行った前例がなく、米国に対する圧力を可視化するものと言える。
(韓国「ソウル新聞」2021年1月13日)
 


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