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文在寅政権の前に置かれた厳しい選択

ニュースリリース|トピックス| 2020年07月23日(木)

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【中国時評】文在寅政権の前に置かれた厳しい選択

2020年7月23日『ネイル新聞』

北京大学・崔応九教授

 

 昨年12月末、平壌でこれまでなかったほど長時間にわたった朝鮮労働党全員会議があった。この半年間の北朝鮮の動きを見ると、この会議で70年間継続してきた米朝の敵対的関係が今後も相当期間続くものとなり、日本と韓国の対米政策も大きな変化がないだろうという点で意見の一致を見たということが推測できる。

 彼らは、最悪の場合を念頭において、自力更生と正面突破戦を国策として定めた。米国の封鎖政策を自力更生で正面突破するということであり、対外的には南北関係を正面から突破し、東北アジア地域に新たな平和局面を作るということだ。

 東北アジアの平和は南北関係にかかっており、現時点で南北関係を発展させることができるカギは、韓国が握っている。問題は、文在寅政権がこれを解くことができるかという点だ。

 それは二つの問題となる。一つは北朝鮮を敵とすることが米国の世界戦略において不可欠な要素であるが、韓国政府がこれをどのように克服し、南北関係を発展させるのか。もう一つは、米国の対北朝鮮敵対視政策が解除されない限り、北朝鮮が核を放棄することは難しいのに、核を持った北朝鮮との関係改善を継続して推進していけるのか、ということだ。

フィリピンのドゥテルテを参考にすべき

 文在寅政権は6月の事態を通じて北朝鮮の意図をよくわかったことだろう。そのため、まずは、南北の安保リスクを解決しようとするだろう。韓国の国民が最初に恐れることは北朝鮮の核であり、北朝鮮の国民がまず恐れるのは在韓米軍と米国の軍事的脅威だ。

 文在寅政権はこの二つの目標を段階的に解消しようとするだろう。まず、北朝鮮は朝鮮半島では核を使用しないということを、韓国は北朝鮮を対象に米韓軍事訓練を行わないことをはじめ、法的効力を持った平和協定の締結を試みうる。その後、軍事会談を始める案を検討するだろう。

 次に、2018年9月に平壌で合意した金剛山観光や開城工業団地の再開、南北間の道路と鉄道連結問題の解決を図るだろう。これらの問題は国連の制裁と直接的な関係がなく、韓国政府の決心次第だが、米国が北朝鮮に対する圧力するテコにも使えるため、簡単に同意するとは思えない。

 フィリピンのドゥテルテ大統領の政権当初、米国に対する行動が参考になるように思える。米国は同盟国の大統領であるドゥテルテが米国側に立って南シナ海で中国と戦うことを望んだ。しかしドゥテルテは、中国との関係改善にこだわった。米国が経済面と軍事面でドゥテルテに圧力をかけると、彼は米軍をフィリピンから撤収させよと正面からぶつかった。米国は撤収しなかっただけでなく、かえって経済・軍事的にフィリピンに多くの利益を与えた。ドゥテルテは中国との関係改善を行い、中国からも多くの利益をもぎとった。

 韓国が在韓米軍は出て行けと言ったならどうなるか。最近、米議会は在韓米軍を2万5000人以下に縮小させないという決議した。在韓米軍が米国にとってより必要な存在であるためだ。韓国政府が金剛山観光と開城工業団地、南北道路・鉄道連結にこだわれば、米国はどう出てくるか。もちろん反対するだろうし、経済・軍事的に圧力をかけるだろう。米国が南北の関係発展を妨害するという世論を背景に、韓国政府が継続して推し進めれば、フィリピンのような結果を得ることができる。文大統領の決断が気になる。

 文大統領は大統領府の安保室長と国家情報院院長、統一部長官など外交安保ラインを交替させた。このような人事が力を合わせれば、南北関係で何かを成し遂げられるとの予感がする。さらには、共に民主党の国会での位置や米国国内状況などは、文在寅政権の行動の幅を広げうる。

 8月20日から始まる米韓合同軍事演習で米軍は例年同様の規模を、韓国は規模縮小を主張している。南北関係を破綻へと追いやる可能性がある事案だ。しかし、トランプ大統領が文大統領の要求を聞き入れるタイミング次第でもある。問題なく事案を解決できると考える。

米韓合同軍事訓練を強行すれば南北関係は破綻

 65年間敵対関係にあった南北関係改善への道は茨の道だ。この道を進もうとするならば、南北共に力を合わせなければならない。現在、北朝鮮は文在寅政権が米国からもう少し自由になれるように与件を作ろうとしている。文在寅政権が北朝鮮の隠れた意図をきちんと読み解き、時期を逃さすことなく、知恵を持って果敢に朝鮮半島と東北アジアの平和の土台を作っていくことを期待する。


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