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北朝鮮・党中央軍事委員会とはどのような組織か

ニュースリリース| 2020年05月24日(日)

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 北朝鮮が金正恩・朝鮮労働党委員長が主宰する朝鮮労働党中央軍事委員会第7期第4回拡大会議では、核戦争抑止力の強化について議論し、軍人事などを決定した。そのため、同委員会の役割について関心が集まっている。

 党中央軍事委員会は、北朝鮮で軍事分野のすべての事業を指導する機関であり、国防事業全般を指導する。中央軍事委員会拡大会議は、軍事政策と国防事業全般を総括して議論する場であり、軍高官の人事を決定する。

 2019年12月22日に開催された中央軍事委員会拡大会議では、「自衛的国防力」の発展を議論する中、軍組織を大幅に改編した。また昨年9月には、台風の上陸による被害が予想されると非常拡大会議を開催し、大規模被害への対策を指示したこともある。軍の主要戦略を指揮する金委員長の統治力を誇示し、軍に対する党レベルでの統制が行われていることをアピールする意味もある。

 金正恩政権になって中央軍事委員会拡大会議は、2013年、14年、15年(8月20、28日)、18年(5月17日)、19年(9月6日、12月22日)など頻繁に開催され、重要な政策を決定してきた。国内外の懸案にしたがって議題が決められ、北朝鮮が軍レベルでどのような問題に注力するのかを明らかにし、会議後には北朝鮮メディアで会議の内容とともに写真が公開されてきた。そのため、会議の雰囲気から金委員長がどれほど軍を掌握しているかが垣間見える。また、人事対象となった人物や人事の規模などがわかり、北朝鮮がどのような軍事戦略に注力しているかをより詳細に推定できる。

 北朝鮮メディアが5月24日に報道した第7期第4回拡大会議では、核戦争の抑止力強化と武力機関の改編などが議論された。特に金正恩政権になって北朝鮮の核とミサイル開発の主役とされてきた李炳鉄(リ・ビョンチョル)党副委員長兼軍需工業相が、党中央軍事委員会副委員長に選出され、北朝鮮の戦略兵器開発への意欲を感じられる。

 砲兵司令官出身である朴正天(パク・ジョンチョン)軍総参謀長が、現職の軍首脳部のうちただ一人、軍次帥へと昇格した。これは、金委員長の「砲兵重視」方針と確認される人事だ。

 今回の会議で、金委員長は22日ぶりに公開活動を行い、軍部高官を前に指導力を誇示し、しっかりとした軍掌握がなされていることを示唆している。
(聯合ニュース2020年5月24日)


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