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新型コロナウイスルに対する北朝鮮指導部の反応

ニュースリリース|トピックス| 2020年03月15日(日)

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 最近、北朝鮮当局者はコロナ19の拡散を強く心配しているため、事実上、海外とのアクセスをブロックしました。客観的に言えば、コロナ19に対する恐怖は誇張されたものと言えます。医学の専門家らは口をそろえて、コロナ19は毎年発生するインフルエンザと比べるとそれほど危険なものではないと主張しています。

 しかし、北朝鮮だけでなく、世界各国の当局者は、コロナ19に対する合理的で科学的な主張を無視し、ほとんど前例のない防疫措置に注力しています。っています。なぜでしょうか。それは、人民大衆は新たに生じた感染症に対し恐れを強く感じるためだからです。

 コロナ19が引き起こした現状は、北朝鮮社会と政治面で、いくつかの重要な特徴をきちんと示しています。最初に、北朝鮮指導部がこのような過剰な反応を見せているのは、北朝鮮の指導部が、外国メディアをきちんと見ているということ、そしてそこから多くの影響を受けているということです。民主国家のメディアは、コロナ19に対する恐怖の広がりを熱心に報道しています。中国は民主国家ではありませんが、中国指導者も民衆の考えの多くを無視できず、中国共産党幹部も過剰反応を見せるほかありません。

 確実にそうだと知ることはできませんが、おそらく北朝鮮の医学者や生物学者たちは、上部にコロナ19はそれほど危険ではないという事実を知らせたと思いますが、北朝鮮の統治者たちはこれらの報告を無視したのではないかと思われます。結局、北朝鮮指導部は、国の経済の大部分を破壊するような措置を取ることにしました。率直に言えば、北朝鮮指導部の措置を批判することは難しい。なぜなら、彼らの措置は、ほとんどの外国政府が取った措置とこれといって違うところがないためです。しかし、このような措置や政策が、北朝鮮経済の状況をさらに厳しいものにならざるをえないでしょう。

 コロナ19が示した第二の問題は、北朝鮮の中国に対する依存度です。より厳密に言えば、中国への依存度よりも、中国との密貿易での依存度のことです。これをよく示しているケースが、最近、北朝鮮国内で石油と食糧の価格が上がり始めたということです。北朝鮮で油や食糧の価格が15〜20%上昇したという報道が出ています。なぜこうなったのか、その理由はそれほど難しいものではありません。国連安保理の制裁によって北朝鮮は中国から自由に油を輸入できなくなったためです。最近まで、北朝鮮は秘密裏に中国から油を多く輸入しながら、中国へ石炭など多くの地下資源を密輸出していました。こうして得られたお金で、北朝鮮国家機関もトンジュ(新興富裕層)も中国から食糧など多くの生活必需品を輸入して北朝鮮の市場で販売していました。

 しかし、北朝鮮当局者は最近、コロナ19を恐れて、本来なら許可したのはもちろん、また同様に強く支持していた密貿易を事実上禁止しました。そのため、供給が大幅に減りました。しかし、需要は変わらないので食料や石油の価格が上昇してしまいます。

 コロナ19に対する北朝鮮当局者たちの反応は、今後も北朝鮮経済に深刻な打撃を与えることは間違いありません。興味深いことに、そうなると、北朝鮮も世界での例外になりません。コロナ19は、世界各国で厳しい経済的打撃を与えているためです。
(RFA、2020年3月12日、アンドレイ・ランコフ韓国国民大学教授)


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