NEWS HEADLINES

北朝鮮から見た「国家経済発展5カ年戦略」最終年の現状・下

ニュースリリース|トピックス| 2020年01月27日(月)

Facebook

朝鮮が見つめる発展上昇の道
「われわれの力でいくらでもよく生きることができる」/科学技術を原動力に


 社会科学院経済研究所の研究士である李基成氏は、国家経済発展5カ年戦略遂行機関に成し遂げられた成果として、「自力経済土台の強化」とともに「科学技術の発展、人民経済の現代化」を挙げた。朝鮮労働党第7回党大会の2年後に開かれた党中央委員会第7期第3回全員会議(2018年4月)では、社会主義経済建設に総力を集中することに対する新たな戦略路線とともに、「化学で飛躍し、教育で未来を保障しよう!」という戦略的スローガンが提示された。

 精神的には自力更生の旗幟を掲げながら、時代的要求に合わせて、科学技術を原動力とし、社会主義強国を建設しようというものだ。これを優先して、国家的な投資を集中している。

 その結果、国家的な意義を持ち、世界的な最先端を突破する科学技術成果が成し遂げられたているという。

 5カ年戦略遂行期間に教育と科学研究、生産の一体化を通じた先端技術製品を開発、生産する総合基地となるものが新たに打ち立てられた。

 また国家的規模で科学技術の普及網システムが備わった。李基成研究士はこれを「知識経済の下部構造」と表現する。その構成要素は主に情報通信網と資料基地(データベース)だ。朝鮮では末端の行政単位である「里」まで、光ケーブル網が完全に導入され、情報通信の広域化が高いレベルで実現されている。

 平壌の科学技術殿堂(2016年1月竣工)に国内外の科学技術成果が集中されており、資料基地化されている。同殿堂を中心とするネットワークに、数多くの科学技術普及拠点が全国的に網羅されている。道や市、郡の行政単位ごとに運営されている電子図書室や、工場や企業所に設けられた科学技術普及質などがそのような拠点となる。誰でも科学技術発展の最新成果に簡単に接続でき、それを積極的に活用できる条件を国が保障している。朝鮮では、経済発展のための頭脳戦、実力戦も集団主義の長所と強みが八方で発揮される社会主義方式で行われている。

 李基成研究士によれば、国家経済発展5カ年戦略に合わせ、国家科学技術発展5カ年戦略が推進されているという。

 目標は短期間で国の科学技術を世界的レベルに引き上げるためのしっかりとした土台を用意することだ。戦略遂行期間にその成果がすでに経済建設の現場で導入され、生産工程の自動化や知能化、無人化が促進されている。

農業増産、食の問題の解決

 「史上最大規模の制裁」の下でも、朝鮮の経済は上昇軌道にあり、人民らは生活の苦情を実感していると、李基成研究士は言う。

 国の経済司令部である内閣は、5カ年戦略遂行期間に農産と畜産、水産を三大軸とし、人民の食糧問題、食の問題を解決し、軽工業の発展に力を入れ消費品の問題を基本的に解決することで、人民生活の工場で決定的転換をもたらすことに注力している。

 この数年間、朝鮮では高温や日照りなどの悪材料が続き、農業部門では水稲、トウモロコシ、ジャガイモなどの穀物の多収穫基準を突破した農場や作業班、分組、個別的農場員の隊列が継続して増えている。科学的な営農が導入され、営農物資も必要なときに保障されており、現実的な発展の要求に合う農業経営方法である「分組管理制」の枠内での圃田担当責任制の生活力が発揮されているという。

 「今では自然災害でどうしようもないとあきらめることはない。昨年は最初から水不足の被害を防ぐために、全国が注力した。9月には台風13号の被害を防ぐために、党中央軍事委員会非常拡大会議が招集され、被害防止の闘争に全党、全軍、前人民が総決起した」

 当時の会議を指導した金正恩委員長は、朝鮮半島を貫通する中型の台風により莫大な被害が発生することを予想されたが、党と政府の幹部から中央と地方の幹部にいたるまで、その深刻さを理解できず、安易な認識に囚われ、旧態依然な態度を取っていることを指摘し、被害を防ぐための闘争を組織展開するための部門別、単位別、地域別の課業と方法を提示された。李基成研究士によれば、被害防止闘争では人民軍が主力となり、党中央委員会の幹部らと政府機関の幹部、軍事機関の指揮官らをはじめとするすべての幹部が台風によるリスクが完全になくなるまで、該当地域に出向き昼夜間を問わず必要な対策を取ったという。

 「その結果、被害を最小化でき、復旧事業も最短期間で終わることができた。われわれ式社会主義の優越性、必勝不敗を見せることができた」と言う。

 昨年の朝鮮では、敵対勢力の悪辣な制裁に押されて多くの制約を受け、不利な気象条件が続いた中でも、農業で最高の収穫年度を突破する前例のない台風が来た。

 「われわれはこの経験を通じて、どんなことであれなせばなるとことを理解し、社会主義強国建設で領導者の役割がどれだけ重要かを改めて実感した。金正恩委員長は政治と軍事はもちろん、経済分野でも科学的な洞察力に基づいて、正確な目標を提示し、その実現のための方法まで教示された。われわれは感動を禁じ得なかった」

もう一つの対決戦で勝利を

 2019年には、自立経済の潜在力が大規模建設対象の完成からも確認された。最高領導者の直接的な発起により、両江道三池淵市が「現代文明が凝縮された社会主義山間文化都市のモデルケース」とされ、温泉とスキー場、乗馬をともに楽しめる陽徳温泉文化休憩地(平安南道)が山間という地形を生かし、自然環境に合わせて雄壮にも設置された。今年4月には元山葛麻海岸観光地区が完工される予定だ。

 金正恩委員長は昨年10月、第2段階の工事を成功させている三池淵の建設現場を現地指導した。このとき、敵がどんなに執拗に攻撃してきても、われわれはわれわれの力でいくらでも交わすことができるとし、われわれ式で発展と繁栄の道を切り開くことができるというのが試練と苦難に打ち勝ち、奇跡と偉勲でより高く飛躍した2019年の総括だと述べた。

 「金正恩委員長は歴史的な施政演説(2019年4月12日)で表明したように、われわれは長期間の核脅威を核で終息させたように、敵対勢力の制裁突風を自立、自力の熱風で一掃するだろう。われわれには数十年間で固めてきた自立経済土台と能力のある科学技術力量、自力更生を体質化した人民の想像力がある。そのため、制裁を無力化し、他国が推し量ることも想像することもできない強大な力で、世界が認める経済の富興発展を成し遂げることができる」

 今後、党大会で提示された国家経済発展5カ年戦略の目標が達成されれば、それは自立自彊の力で制裁をはねのけ、発展上昇の道を進む朝鮮の無窮無尽な経済的潜在力をはっきりと証明することになる。
(『朝鮮新報』2020年1月17日)
 


ニュースヘッドライン