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金正恩委員長「経済発展ほど緊急な任務はない」

ニュースリリース| 2019年03月10日(日)

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 3月9日に朝鮮中央通信が、「第2回全国党初級宣伝幹部大会」が開催され、金正恩・朝鮮労働党委員長が書簡を送ったと報道した。特に「経済発展ほど緊急の(切迫した)任務はない」と言及したことに、韓国メディアをはじめ関心が集まっている。今回の書簡は、2月27、28日にベトナム・ハノイで開催された2回目の米朝首脳会談以降、金委員長の行動・発言となる。

 以下は、韓国の聯合ニュースの記事を翻訳したものだ。

(以下、翻訳)

聯合ニュース2019年3月9日配信

金正恩「経済発展ほど緊急の任務はない」

――米朝首脳会談以降、初のメッセージ

宣伝幹部大会へ書簡を送る「情勢悪化への行動なく、経済建設に集中する可能性」を分析

金正恩「首領の風貌を神秘化すれば真実を覆う」…金己男氏の肩書き「党中央委員会顧問」

 北朝鮮の金正恩国務委員長が「経済発展と人民生活の向上ほど、より緊迫した革命任務はない」と述べたと、朝鮮中央通信が3月9日、報道した。

 金委員長は3月6~7日にかけて行われた第2回全国党初級宣伝幹部大会に送った書簡で、「現在、わが党の思想事業において重要な課業の一つは、社会主義経済建設を急ぐために宣伝扇動の火力を集中すること」と述べ、このように強調した。また、「社会主義建設をやむことなく進めることができる主観的・客観的条件が成熟している」と述べ、自力更生を促進するための宣伝・扇動の力量を強化することを参加者に注文した。

 書簡は、2月27、28日に行われた2回目の米朝首脳会談が何ら合意することなく終わった後に出された金委員長の初のメッセージという点で関心が集まっている。

 会談が決裂した後、北朝鮮がミサイルを発射するのではないかという挑発可能性が出ている状況において、金委員長が経済発展を強調したことは情勢を急激に悪化させる行動はしないというメッセージを迂回的に投げかけたのではないかという分析が出ている。

 北朝鮮は国家経済発展5カ年戦略の4年目となる今年、経済発展に総力を集中する一方、乱れた民心ををつかむことに注力するために宣伝扇動が必要だということだ。ただ、金委員長の書簡には、米朝首脳会談に関連した直接的な言及はなかった。

 書簡にはまた、「首領の革命活動と風貌を神秘化すれば、真実を覆うようになる。首領に人間的に、同志的に魅惑的になる時、絶対的な忠実性がにじみ出る」と強調した。金委員長の言及は、これまで最高指導者を神秘化することに集中してきたこれまでの北朝鮮の宣伝扇動のやり方に変化することを示唆するものとして注目される。

 2017年の新年の辞で「能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送った」と述べるなど、金委員長の今後見せるであろう特有の正直な話法とも一脈通じる点だ。

 今回2回目となる初級宣伝幹部大会は、18年ぶりに開催された。金正恩体制になって初めて開かれた。党初級宣伝幹部とは、各機関、団体、工場、企業、協同農場などにおいて、一般住民を対象に思想教養・宣伝扇動事業を行う幹部らのことだ。彼らは労働党が推進する政策と方向性を末端において住民に説くという点で、「毛細血管」のような役割を行う。

 一方、朝鮮中央通信は一線を退いた後、最近になって復帰した金己男(キム・ギナム)・元宣伝扇動部長の肩書きを「朝鮮労働党中央委員会顧問」と報道した。金元部長は今回の大会参加者に、金委員長の書簡を伝えた。行事の報告は、李栄植(リ・ヨンシク)宣伝扇動部第1副部長が行った。


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