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2019年の新年の辞を経済現場ではどう受け止めているか(上)

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2019年01月20日(日)

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 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が発表した2019年の新年の辞では、経済分野に対する言及が多かった。具体的な産業別に18年の総括と19年の方針も発表している。

 では、新年の辞を受けた現場では、具体的にどのような動きを見せているか。ここでは製鉄・金属工業と農業分野で、現場の声を聞いてみた。

 まず、製鉄・金属工業について金委員長がどのように言及したかを振り返ってみよう。18年の製鉄分野について「金策製鉄連合企業所や黄海製鉄連合企業所をはじめ金属工場で主体(チュチェ)化の成果を拡大し、化学工業の自立的土台を強化するための事業が力強く推進された。われわれの力、技術、資源でつくりだした誇りとやりがいによって、見るからにほほえましい各種の運輸機材や軽工業製品の質が一段と高まり、大量生産されて朝鮮人民を喜ばせている」と総括した。

 その上で19年には、「経済建設の二大柱である金属工業と化学工業の主体化の実現で、さらなる発展を成し遂げなければならない」との目標を掲げた。特に金属部門では、「主体化された製鉄・製鋼工程を科学技術的に完備し、正常運営しながらコストを最大限に下げ、鉄製さん能力の増大に沿って鉄鉱石と耐火物、合金鉄を円滑に保証するための作戦を立てて実行しなければならない」と述べている。

「生産正常化をしっかりと実現、経済制裁とは関係ない」

 現場ではどうか。北朝鮮・金属工業省のリ・ウンチョン副大臣(53)に聞いてみた。リ氏は18年の成果について「(北朝鮮)国内の資源と技術で鉄鋼材の生産を正常化できる土台を作り上げた」と紹介。金策製鉄連合企業所では、コークスを使わない銑鉄(主体鉄)の生産で初出銑を行い、また酸素熱法溶鉱炉による鋼鉄(主体鋼鉄)生産体型を確立したという。輸入に依存しなければならなかったコークスを使わない方法を確立したことが大きいという。

 ほかにも、黄海製鉄連合企業所や千里馬製鋼連合企業所でも、微量合金鋼の生産技術や高温空気燃焼式回転加熱炉といった技術を確立し、鉄鋼生産の増大が可能となったという。また、原料確保も正常化したと述べた。

 今後の金属工業部門の活動についてリ氏は、「酸素熱法溶鉱炉による生産正常化とともに、生産能力をより高め、生産工程の技術改善をさらに追求する。鉄鉱石をより効率的な確保で、鉄鋼材生産のさらなる増大を狙う」という。また、「経済制裁は関係ない」とし、「国内の資源と技術による自りう的な生産システムが十分に確率された」とその理由を述べた。
(下に続く)



  • 金策製鉄連合企業所

  • 金策製鉄連合企業所

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