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高温気象が続き農業への被害が心配される北朝鮮

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2018年08月04日(土)

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 この数年、北朝鮮では毎年のように日照りや水不足で農業生産への影響が心配されてきた。今年は、日本と同様、酷暑が続いており、高温による農業への被害が心配されている。

 朝鮮中央通信は8月3日、「朝鮮では気温が35度以上、40度を超える高温と日照りによる被害が生じている」と報道した。特に黄海道や咸鏡道などで稲作やトウモロコシへの被害が出始めたという。

 そのため、農業部門で灌水設備を補修・整備を行って水の安定供給に努力し、堀池や井土堀などにも乗り出しているという。

 北朝鮮・農業省のチョン・ソンヒ責任部員は、現在の現在の農業の状況について、以下のように説明する。

 今年は北朝鮮でも梅雨が早く終わってしまい、7月の日中気温が8月上旬の最も暑い時期と同レベルの気温が続いたという。高温状態が続けば、農作物や果樹などのエネルギー代謝が破壊され、作物に栄養物質がきちんと行き渡らなくなると心配している。

 そのため、たとえば黄海南道信川郡では、これから水田で稲穂が生じる時期に合わせて、科学的な農産物管理方法をつかって被害を抑えるように努力しているという。たとえば、水の供給をきちんと行い、より効率的な方法を実務担当幹部と農場員と共有しながら、実際に生じうる被害を予防しようとしている。

 また、黄海北道の協同農場では、トウモロコシ畑が高温によって被害を受けないように、先手先手で作業を行っているという。水の確保を最優先することに加え、栄養液の供給など、肥料面でも十分な手当を行うように努力しているようだ。

 北朝鮮ではこの数年の日照りや水不足の経験を踏まえ、灌漑設備を効率化し、また少ない水分でも十分に備える種子・苗の開発などを行ってきた。そのため、例年心配されたほどの穀物生産量の減少は生じていないとされている。

 ただ、高温気象をはじめ異常気象が今後生じる可能性も高く、北朝鮮当局もできるかぎりの対策を打っているようだ。





  • 北朝鮮農業商のチョン・ソンヒ責任部員

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