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平壌・普通江に浮かぶ”いかだ”は何か

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2017年02月11日(土)

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 北朝鮮における環境保護事業の一環として、「生態いかだ方式」という水浄化技術が開発・導入されている。
 
 正式名称を「生態いかだ式植物栽培による水浄化技術」とする新技術は、人工的につくった生態いかだにおいて稲と草花を栽培しながら、川と湖の水を浄化する技術のことだと、金日成総合大学研究師の万虎成(マン・ホソン、51)氏は説明する。
 
 この技術はこれまで人工栄養液で野菜を栽培していた水耕栽培技術を生態環境保護部門に適用したものであり、伝統的な水浄化方法と比べ資材と設備、電気を大きく節約できる利点がある。また、都市の限られた土地でさえ使用することなく、多くの植物を生産できるとても先進的な技術として認められている。
 
 金日成総合大学の教員と研究師が開発したこの技術は、現在、平壌の普通江で導入されている。普通江周辺には、同大の自らの力と技術で製作した600平方メートル規模の稲と植物を栽培するための生態いかだが設置されている。ここでは、国内の気候条件に合い普通江の水質に適合したコウオウソウやヒメバショウ、アゲラタムをはじめ十数種の植物と、大学で自主的に育種洗髪した稲が水面で栽培されている。
 
 いかだで栽培されている稲や花は、川水に含まれている無機成分を自らの栄養としてすべて吸収することで植物体がしっかりと育てながら、同時に川水を浄化している。明かりも設置されており、夜間には植物の生長にもよい条件を整えながら、普通江にも変わった風景を醸し出している。
 
 普通江での水上植物栽培による水浄化率は、自然浄化率の約4倍に達する。植物の成長速度によって、水浄化速度も速まった。事前に限定された場所での実験結果によれば、水浄化率は90%だ。普通江の水面25〜30%の面積に生態いかだを浮かべ、ここに稲や植物などを栽培すれば、少なくとも95%程度の普通江の水が浄化できる。
 
 新たな水浄化技術は、水を浄化する環境保護効果があるだけではなく、稲を植え穀物を生産できる経済的効果と、植物のような鑑賞的価値がある植物を植え、水域を緑化できるなど多くの理想が可能となる。新技術によって土地や窒素肥料やリン肥料がなくても、いかだで野菜や食用作物などを生産できる。開発者は当面、普通江に導入されたいかだの面積を大きく拡張し、野菜と木の苗など植物栽培の利用範囲もより広げようとしている。
 
 金日成総合大学では今後、たんぱく質の含量が多い水生植物に対する研究を深め、河川の下流における汚染を防ぎ、ペット向け食料添加剤やキノコ栽培基質、化粧品添加剤、医薬品添加剤、有機質肥料生産に必要な原料となるものをつくりたいと計画している。
 
 われわれは今回の研究成果に基づき、2017年から全国に導入し、すべての河川と湖を浄化するための科学技術的問題を解決するための準備事業を計画して推進している。



  • 金日成総合大学の万・研究師

  • 普通江に浮かぶ「生態いかだ」

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