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【北朝鮮 Live!】北朝鮮識者が見る東アジア情勢

ニュースリリース|北朝鮮 Live!| 2016年09月11日(日)

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 9月9日に北朝鮮が5回目となる核実験を行った。経済制裁という日米韓が推し進める経済政策の中でも、北朝鮮は核開発を着々と進めてきた。経済制裁の効果が疑問視されている。
 
 特に今回の核実験は、2016年7月に韓国が米国による高高度ミサイル防衛システム「THAAD」(サード)の配備を決定した後でもあり、核実験と合わせ、東アジア情勢は極度の不安定な状態に入った。
 
 このような状況を前提に8月中旬、北朝鮮の各界各層の意見を集めた。ここに紹介する。北朝鮮が対外政策をどのような状況で、どう考えているかがわかる内容だ。
 
記者:米国や韓国が「THAAD」配置は朝鮮半島情勢を根拠として述べているが、これについて説明してほしい。
 
金星(クムソン)政治大学講座長の洪太淵(ホン・テヨン)氏:「THAAD」が朝鮮の「核・ミサイル脅威」に対処するためという理由は話にならない。米国が地域大国を念頭に置いているということは、子供でも判断できる問題だ。南朝鮮(韓国)での米国の「THAAD」配置は、戦略的ライバルである中国とロシアを牽制し、世界的範囲で軍事的覇権を狙うためのものだ。
 
 一部地域の国はこれまで、北朝鮮の自衛的な核抑制力強化こそが朝鮮半島における緊張激化の根源とみなし、まるでわれわれが「自制」すれば問題は解決されるといった間違った見解を持っている。
 
 社会主義強国建設のために経済発展に総力を傾けている共和国において、平和保証は死活的な焦眉の問題であるため、戦略資産の投入を決して傍観することはできない。
 
記者:東アジアで今後、中国・ロシア・北朝鮮対米国・日本・韓国という対立の構図が再現しうると心配する声がある。
 
社会科学院研究師の曺喜勝(チョ・ヒスン)氏:「THAAD」システムの配備をきっかけに、アジア太平洋地域で軍備競争と「新たな冷戦」の気流がさらに本格化している。
 
 「THAAD」の配備決定でミサイル防衛システムを配備・運営するための土台を用意した米国は、いま三国軍事同盟をつくりあげることに本腰を入れ始めた。北朝鮮と同様に、中国とロシアなどの地域大国が「THAAD」配備に強く対応していることはまっとうなことだ。
 
 「新たな冷戦」に備え、周辺国が共通の地政学的利益をもって、戦略的対応と統一を強化することは、情勢発展の必然的な推移となるだろう。
 
記者:地域情勢の象徴である朝鮮半島事態がとても深刻な段階に入っているのではないか。
 
金策工業総合大学学部長の金哲好(キム・チョルホ)氏:南朝鮮に対する「サード」の配備決定と、米国の絶えることのない核戦略資産の投入策動で、朝鮮半島と東北アジア地域情勢はとても先鋭になっている。
 米国はこれまで、核戦略爆撃機「B-52H」だけを常駐させてきたグアムに、今年8月6日には同「B-1B」4機を前進配置したことに続き、8月9日には再び「B-2A」3機を配置した。
 米国はわが共和国に対する核先制打撃を狙ったこのような核戦略爆撃機の前身配置について、定期的に進められてきた「循環配置」であり、「安定」を維持するための抑止力提供であり、世界・地域の安全保障を保証する「確固たる約束」となると、呆れた話をしている。
 米国は共和国との全面対決において、すでに「レッドライン」を超えている。
 
記者:任期末のオバマ政権が地域情勢をより悪化させているが、これについて説明してほしい。
 
社会科学院民俗学研究所所長の孔明星(コン・ミョンソン)氏:任期切れ間近のオバマ政権は、重大な戦略的誤謬を犯している。
 
 朝鮮半島情勢と米朝関係が極度に悪化し、2015年8月のような事態が想起されている時に、米国と韓国が強行しようとしている「乙支フリーダムガーディアン」合同軍事演習が始まることで、また別の情勢的な爆発が起きないという保証はまったくない。
 
 北朝鮮を一次的な攻撃目標とし、侵略的な戦争演習と武力増強、軍事ブロック化への動きに狂奔すると同時に、アジア太平洋地域での軍事的覇権を維持し、支配主義的野望を実現使用とする米国の試みは実現されない。
 
 これまでの深刻な情勢に対処し、いま朝鮮人民軍はすべての核打撃手段をつねに発射待機状態に置いており、万端の決戦侵入体制を取っている。
 
記者:該当情勢に関する世界各国の見解を簡単に教えてほしい。
 
洪太淵氏:戦争に反対し、平和と安定を望む多くの国々が、米国の戦略的資産増強と対朝鮮敵視政策によって地域情勢が統制不可能な状況に陥っていることに対し、深い憂慮を示している。
 
 国々は朝鮮半島問題において公正な立場を守る道だけが、問題解決に役立つということに共感を示している。



  • 洪太淵氏

  • 曺喜勝氏

  • 金哲好氏

  • 孔明星氏

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